小さな小さな小さな生き物の話 PART3


2016年8月5日

新学期が始まって、責任者探しというのか、今回の件についてさまざまな議論が
発生しました。当時、犠牲者が出たこと、また責任追及で自ら命を絶たれた方もおられ。
何が真実なのかも分からず、とにかくわが子の命は自分で守らなければいけない
という悲壮感と同時に不信感などが漂って、あまり良い状況ではありませんでした。

あれから20年。先日後遺症が原因で亡くなられた方のニュースを見て、胸が痛みました。
事件の後、再開された給食は袋に入ったジャムでさえ煮沸消毒され、生野菜は一定の
濃度の殺菌剤で洗ったり。除菌、殺菌の方向に物事が流れていました。ただ、同時に、
腸内細菌をすぐに殺してしまう結果の怖さも知ることとなりました。

当時息子に、同じテーブルで食べた5人のうちなぜ○○君だけ発症したのか思い当たる
ことが無いか尋ねました。○○君はその日もとても元気で、他の子供と一緒におかずの
お代わりをしたのです。たまたま菌の数が多い部分を選んで食べたとは考えられません。
「そう言えば、牛乳を飲むときみなで○○君を笑わそうとしたので、一気に飲んでいた。」
そこだけが違うと言います。もしかして胃酸が薄まって菌が繁殖しやすかったのでしょうか。
他にも、私が知る限り、普段より体調が悪かった状態で発症した子どもも何人かいました。
風邪気味だったり、睡眠不足気味だったなど。特殊な事例として、「うちの子供は普段
絶対野菜が嫌いでほとんど食べないのに。どうしてあの日の給食の野菜を食べた
のかしら」と言われたお母さんがおられました。すべて、検証などされていませんが。

最近しきりと、腸内細菌が多様にあることが大事だと叫ばれるようになりました。免疫力
についても少しずつ解明されるようになりました。小さな小さな小さな生き物ですが、
微生物は侮りがたい影響力を持っています。
実は、土の微生物の重要性を思うにつけ、私はこのO157のことを思い出してしまいます。
植物の健全な生育のためには、土壌の中に多様な微生物が存在する=人間にとって
腸の中に多様な微生物がいる、というイメージを浮かべるからです。
私たち人間を育む土壌というのは腸の中身のことで、それをいかに大事にするかと言うことが
健康に生きることとつながるのかなと思いました。で、さらに私の妄想はつづきます。

(もしかしたら、植物から見たら人間と言う生き物は、体が『裏返って』いて、葉緑素も無く
なましろく、自分たちで栄養を作れず、他者を捕食するために『動き回る』超恐ろしい化け物!
なのかな・・・)と。

アニメの『○○の巨人』、それは植物から見たら『人類』のイメージそのものかもしれません・・・


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