花愛ずる君


2013年6月30日

みなさんは以下の様子をどんな風に頭に描かれますか?
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休日の午後。庭からレースのカーテンを開けて。
髪に白いものが混じった、ご主人が、ちょっとおずおずと、一枝の紫陽花を
差し伸べています。
戸惑うように受け取る奥様。
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熟年の夫婦の微笑ましい一場面に見えるでしょうか?
でも、この画像に吹き出しをつけると全く印象が変わります。
この場面の前にこんなやり取りがあるのです。

梅雨中の暑い日差しが続いていた日曜の昼前。
昼食の準備をしていると、庭先から我が夫の叫び声が
「オーい!いるか。切ってしまった!!」というのです。
(一体何を??)と思わず私の頭に浮かんだのは、全く造園業とは無関係の夫が、
植木バサミで手を切って血だらけになっている姿でした。
あわててガラス戸を開けると差し出されたのは、恐る恐るのアジサイの一枝でした。

夫が切って『しまった』と言ったのも、恐る恐る手渡したのにも訳があるのです。
世の男性方は、なぜか花に関心が少ない人が多いのです。
それは植物を扱う職業でも同様です。
なぜか、剪定のときに形は整えるのに、花芽は飛ばすということが植木屋には
往々にしてあります。
わかっていてやるのは確信犯ですが、花が咲く時期もわからず、ひどい時には
つぼみや花がついているのに、ガシャガシャとハサミで切ってしまわれるご主人も
おられます。
そういう場合は夫婦間でトラブルに発展します。
花の木を何のために植えるのかというと、「花を見る」ためです。
花の咲き始めの時期に切ってしまうのは、「いつ見るの?」「今でしょ!!」に
大いに反することになります。
一生懸命やったことが仇になるほど虚しいことはありません。まして褒められ、
感謝されるどころか、憤懣、嘆きを聞かされてはたまったものではありません。
まあ、そんな中でご主人方は花の木の剪定を学習されていくのですが。
我が家も同様。
それがつい、「切ってしまった」という言葉になったのですが・・・・

エコ・ワークスには花を愛でて下さるお客様が多いのです。
そういう男性が多いのもありがたいことです。
そのため、花芽や花を咲かせる剪定というのも、随分意識しています。

さて、私の反応を見て調子づいた夫がどんどんアジサイを整理してしまいました。
花瓶にあふれるアジサイの後。ちょっと庭が寂しくなってしまいました。


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