てまち


2013年6月20日

雨です。待ちに待った雨ですが、作業の段取りが狂いました。
今日から本格的に、入る予定だった剪定作業が、雨で流れてしまいました。
ギュウギュウ詰めの日程だったので、昨日の段階ではなかなか中止の踏ん切りがつかず。
小雨決行の予定でした。雨の中の作業は皆好きではありませんが・・・
起きてすぐインターネットの雨雲の動きを見ながら(やはり・・・・無理かな)と思い始めました。
5時半ごろから、スタッフや関係者に中止の連絡を回しました。
そのおかげで、今日はデスクワークがはかどりました。
良いことも、悪いことも二つはありません。

こんな風に天気に振り回されたり現場での仕事は、いわゆる会社勤めや主婦の方たちと
少々異質な世界です。身なりもそうですが、飛び交う言葉も同様です。
最近、大いに感じたことがありました。
それは、母と始めたある習い事での話でした。
粘土をこねたり形作ったりの作業の中で、ベテランの方が、ぶらぶらとしておられたのです。
先生が「どうしたの?」と尋ねられると、表題の『てまち』という言葉が返りました。
(そうか、Tさんは今てまちか。)と聞いていたら、すぐにその先生と、お隣の主婦の方が
「『てまち』って何?」と質問されました。「作業の段取りが停まってしまうこと」と
Tさんが丁寧に応えて、お二方は納得されました。

作業中ではよく飛び交う言葉です。元々、作業の効率化は『てまち』を如何に減らすかに
かかっています。
工程管理はその追求だと言っても過言ではありませんが。
(一般名詞ではないのか!)とびっくりしました。その驚きは、例えると
ずっと標準語だと思っていた言葉が、他府県の方に通じなかったときと似ています。
他にもいろいろありますが。
知らない方に業界用語で話すときは、理解しておられるのか気をつけようと思いました。

余談ですが通っているのは、お楽しみ風の陶芸教室です。
80歳まで、ずっと習いたがっていた母は水を得た魚のごとく、毎回テーマを考えて
積極的に作品を仕上げては褒められています。
私の方は・・・です。が、私の場合、奥の手があります。
思い通りにいかなかったり不細工なとき、仕上げに底に穴を空けて植木鉢にするのです。
どんどん植木鉢が溜まっていきそうです。

水やり


2013年6月15日

造園の世界では、樹木に水をやることはとても大事な技術です。
本来、植物は水を求めて自分自身で根を伸ばし、より土中深く根を張って
しっかり育っていくからです。
水をやりすぎると、浅いところで水を求めて根が発生します。
その結果、その部分で水を採ろうとするので、水の供給が無いと生きていけません。
だから、水やりの極意は、乾き加減を見計らってたっぷりやるということになります。

これが意外に難しく。たっぷりやりすぎると今度は根が呼吸できなくて根腐れを
起こします。
その見極めはやはり熟練の技術です。

そういった意味で自動灌水を使った水やりは、一種の作業の標準化です。
自力で樹木自身の根を張る力を逆に衰えさせることになります。
樹木を、本来の寿命をまっとうできるように末永く生かせるためには
ふさわしくありません。しかし、樹木が地下深く根を伸ばす土の層が無く、
浅い層で生き続けるには、有効な手段です。
また、樹木の寿命をまっとうさせるような長期間の維持管理ができない場合も同様です。

我が家で以前庭のリフォームをしたときに、3mのカラタネオガタマと言う樹木を
移植しました。この樹木は移植を嫌い、樹木医さんに聞いても、いろんな文献でも
そんな大きさでは難しいとありました。しかも空梅雨の時期でした。
特に、この木は挿し木の苗木を大きくしたもので、一度も根回しもしたことが
ありません。それでも、毎年初夏に咲くクリーム色の花の「バナナの香り」が好きで
ダメもとで動かしました。
移動させたのは灌水ホースのすぐそばでした。案の定すぐに葉が枯れあがり、
上の部分は枯れました。しかし、根元に小さな芽が出てそれがどんどん大きくなり、
今では2mほどの木に復活しました。
本来の大きさではありませんが、自動灌水は『生かす』ことには役に立つ道具です。

このあたり、植木屋歴数十年のスタッフのYさんでさえ、自動灌水についての偏見を
拭い去るのは難しいです。
ですが、このところの暑さや干ばつの気候の中ではやはり必要性を感じます。

一期一会


2013年6月13日

いつの間にか、35℃のとんでもない気温になっていました。
ラジオ体操の時点で汗がにじみ出てきます。
今朝は、朝礼のときから『熱中症対策』のことを何度も言われました。
いろんな会社が入っている今回の現場では、作業環境もいろいろです。
私たちは、地面に近いところで作業しますが、高速道路の上で作業をしている方も
おられます。またずっと重機で作業する方。道路上で誘導される方。
さまざまです。

いろんな注意事項の後、所長さんが塩飴も、スポーツ飲料の粉も用意してあるので
遠慮せずに持っていくようにと言われました。
冗談で(半分本気か?)K専務にすぐにヘルメットを渡され「ここへ」と言われました。
そういう役回りは私です。皆の安全を考える立場に加え、『主婦根性』も幸いして、
お言葉に甘えることとなりました。

とにかく暑い一日でしたが、樹木の植え付けは何とか順調です。
今回の現場はとても特殊な位置にあります。地元の方も含めいろんな方が来られ、
作業経緯を見て下さるので、緊張しながらもやりがいがあります。
特に、設計者のSさんの思いを直接聞く機会が多いのも、少し様子が違います。

表題の『一期一会』は茶道の言葉です。いつも私たちは後は無いという気持ちで
お仕事をしています。
次の仕事で相殺するとかではなく、今やっていることに全力投球し、そしてそれで
評価していただくということです。

明日もまた。暑くなりそうです。

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