プチリフォーム


2014年2月18日

米寿を越えても尚現役の書道教室の先生のお宅の玄関前をプチ・リフォームさせて頂きました。
現役でお仕事をなさっているという点では、最高齢のお客様です。
何十年も書道教室をされているため、お弟子さんから贈られた鉢物がどんどん溜まって、
収拾がつかなくなり、ご自身の体力も落ちてしまったと言われました。何もかもご自分でやって来られた
方なので本当は自身できちんとしたいのだけれど・・・と残念そうでした。

玄関の靴箱の上には季節の飾り(今はお雛様です)が置いてあり、壁には書道仲間の方の絵手紙風の
ハガキを手作りのミニ額縁に飾っておられます。全て日常のものを活かして上手に手作りしておられます。
床板は顔が映るくらいに磨いてあり。子どもたちが靴をそろえて上がるようにしつけておられるそうです。
「今の子どもは靴を履く前に一度土間に下りるのよ。だから靴下が汚れないように玄関のタイルも雑巾がけ
しています」と言われ、普段がさつで泥どろになりがちな自身の行動を思い出して胸がチクリとしました。

お元気で、毅然としておられながら「私はいつ死ぬか分からない。私がいなくなったらきっとこの家も
壊すだけだから、予算もあまりかけずにお願いします」と言われました。ボランティアはできませんが、
できる限りのことはします、とお伝えして何度かお伺いしながらご要望を煮詰めていきました。

建物自体はしっかりしていますが、外回りに年月の劣化が見られました。タイルや、石の目地のヒビ。
当初は納まっていた木も成長し、ツゲはポストから取り出すときの邪魔になっています。
元がどんな花壇だったのか当初の植栽の面影があまりないようです。空鉢などもたまり先生のストレスの
元になっていました。「私たちがすっかり見違えるようにしますね!」と言っていたのです、が・・・・
お伺いするたびに、少しずつ片付けておられるのにびっくりです。大正生まれの方の気概を感じました。

一度既存の樹木を剪定して、形を整え、混んでいる葉も透かしました、ひとまずほとんどを撤去しました。
残っていた大きな根っこはできる限り根鉢分を掘り取り、土壌を改良しました。


残したいものだけを選び出し、新植は最低限度にしました。玄関アプローチを挟んで、日が当りにくい側と、
朝日が当る側でイメージを変え。日当たりの悪い方に紅白のナンテンと斑入りオモト。センリョウ、タマリュウで和風に。暗く見えるところには、土留めを兼ねて斑入りヤブコウジで明るくしました。
ツゲは大きく刈り込んで縮めた後はポストの邪魔にならないところに移植しました。何気に植えられていた陶器の鉢も、葉で隠れていた模様が出てくるとちょっと値打ちが出てきました。


左画像;作業前  右画像;作業後

黄色い矢印はポストの位置です

日の当る方は少し花の咲く木を集めました。今まで日陰にあって徒長気味のジンチョウゲや、アジサイも
ここではエネルギーを貯めて花つきがアップしそうです。早春から順番に花が見られるように
セイヨウシャクナゲや、スズランズイセン、イカリソウ、ツワブキなども配植しました。

       
タイルのヒビはタマリュウで隠して玉砂利を敷き詰めました。お弟子さんからの寄せ植えを飾るスペースは残りました。これから何度も花や緑の変化を楽しんでいただきたいです。

取り除いた鉢の類はガレージセールのように、広げていたらご近所の方々に全て嫁入りしたと言っておられました。3人で暖かい午前中での作業でした。


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