知れば知るほど


2014年2月6日

奥が深いのは植物です。
最近、遅まきながら始めた勉強をして、つくづくそう思うのです。

これまで何気なく、剪定や、切り戻しをやっていました。
ハサミで切ったところから新しい芽が出て、分かれた枝にたくさんの花が
つくことは当たり前のように見ていました。
でもそれは、植物の体の細胞の一部に刺激を与えた結果、その細胞が
別の役割の細胞に変化して、根や葉や茎になったりしていることです。
まさにそれは、巷で騒がれる万能細胞の状態です。

植物の再生力のすごさは他にもあります。
茎にくさび型の傷をいれ、人間の血管にあたる、維管束(水や養分の通り道)を
傷つけても元に戻すのです。
周辺の髄と呼ばれる細胞は、役割を終えていますが、急に活性化して、
細胞分裂を始め、ちぎれていた部分を修復してしまいます。怪我をしたはずが
あっという間に治ってしまうというのはSF映画のワンシーンです。
もちろん植物はあっという間と言う訳にはいきませんが。
植物はそんな仕組みを持っているのです。
接木というのは、植物のそのような特性を活かしたものです。
台木の細胞の分裂と、接いだ木の切り口の細胞の分裂とがつながり、
水や養分が吸い上げられるようになるのです。先日、有田の友人から、
1本の木から色んなミカンが採れる珍しい木の話を聞きました。
ご主人の実家にあると言うその木は、さまざまな種類のミカンの枝が
親木に接いであるのだそうです。

これまで私は、植物が日中に光合成して蓄えるエネルギーと、夜間に
呼吸活動で消費するエネルギーのバランスについて、あまり意識したことが
ありませんでした。例えば光量が少ないこの時期に、シクラメンなどの鉢花を
暖かい室内に置くと、日中に蓄えるエネルギーが少ないのに、夜は温かい中、
活発な呼吸活動で消耗することになり、花の老化が進んでしまいます。
光があまり当たらないのなら、低温の場所に置いて活性化させない方が、
花の持ちが良くなることにもなります。

植物の様子とメカニズムを、知って関わっていくことの面白さを、感じ始めた
今日この頃です。


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