雨の中の植え込み作業


2012年10月18日

昨日、今日と、雨の中の花苗の植え込み作業でした。
基本的には、雨の中の作業は非効率で、高木剪定など危険を伴うので行いません。
雨の降り方にもよりますが、ときに作業を行うこともあります。
花苗の植え込みや種まきなどは行うことが多いです。

昨日は午前中は雨が降らないはずでしたが、すぐに降ってしまいました。
まあ土砂降りというわけではなかったのでA子さんと全体の5/7を仕上げました。
今日はパートナーのA子さんを男性陣の作業に取られたので、ピンチヒッターの
Nさんと作業しました。除草作業は慣れておられますが、植え込み補助は初めてです。
植え込み補助とは、苗のトレーを移動させたり、黒いポットを外したり片づけたりの作業です。

大量の苗を植えこむときは、黒いポットを先に取っておくと作業効率が良いのです。
植えるたびに黒いポットから苗を抜く手間を省き、あらかじめポットを外した苗を
片っ端から植えます。
移植ごては手前に凹んだ部分が来るように握りしめ、振り下ろして土に穴をあけていく・・・
イメージは人間ミニバックホー状態です。その穴に苗を入れては、土をかぶせ
両手で根元を押さえて、その繰り返しで苗がどんどん植えられていきます。

私のスピードが速すぎて、Nさんのポットの抜き取り作業が追い付きません。
A子さんとのペアではまるで御餅つきの「つき手」「こね手」のように
リズミカルに進めていきます。今日はちょっとそのリズムに乗れません。
だから私もポットを外す方にもまわりました。
雨が降ってくるので、早く作業を終えたい一心で、つい必死になります。
右の手で株をポットから出し、同時に左の手で外したポットを
伏せた空ポットにかぶせるのです。そうすると、作業しながら空いた
ポットも片付いていくのです。これもちょっとロボットのような感じです。

どんな作業の場面でもそうですが、手際よく進むときは片づけも早いのです。
本当にすごい職人さんは服も汚さないのですが、私の場合、つい膝をついたり
するので、ドロドロ状態です。手袋もドロドロ。濡れると厄介です。
携帯電話が鳴ると悲惨です。まず、手袋が手にくっついて、なかなか外せません。
ようやく外して、重ね着の下のポケットから取り出すときにはもう切れています。
そのドロドロの手袋をはめるときの感触はあまり気持ちの良いものではありません。

昼食もやっかいです。昨日は、コンビニ(ありがたい場所です)の駐車場で
温かいものを食べました。
仕事ですから仕方ありません。いろんな職種の方が雨の中でも作業をしておられます。
今日は最後のD社の花壇の除草作業までずっと降り続いていました。
それでも、目いっぱい積み込んだ軽トラックが空になった状態で
戻れるのは気持ちの良いものでした。
帰りは、ヒーターをガンガンかけて洋服を乾かしながらの帰還でした。

遠方の男性陣も次々と帰ってきましたが、『雨降らず』だったようです。

 

秋色花壇


2012年10月7日

このところ秋の花を扱うことが増えました。
秋に、秋の花を扱うことは、何の変哲もなさそうなことなのですが。
実は花の世界もファッションと同じで、季節を先取りすることになります。
実際に秋に入れば、もうそろそろ春の花が出始めるというのが現実です。

先週は、個人邸と、歯科医院の花壇に秋の花を植えさせて頂きました。
普通は開花時期が過ぎた宿根草などは、そのスペースが使えませんが、
私たちが管理する場合は、その個所も入れ替えることができます。
ガーデニングと縁が無かった方や、かつての『ガーデナー』の方には特に好評です
個人邸Hさんは前者の方です。ガーデニングのキャリアはほとんどなかったのですが、
今では花壇をきっかけにご近所の方と花談義をされています。
植えこんだ直後は、見た目は貧弱ですが、これからどんどんボリュームが上がり
変化を楽しめます。花壇には灌水ホースが入っています。

もう1か所は、T歯科クリニックという、泉北にある歯科医院です。
通りに面して、建物に隣接した細長い花壇があり、スタッフのみなさんで管理されていました。
お伺いした折にも、夏の花が大きく育っていました。


ただ、夏場の水やりも含めて、管理が行き届かなくなってきたたので、
私たちに年間管理のご依頼がありました。自動灌水の施工も同時に行いました。

当初自動灌水を経費も含め、大がかりな工事のイメージで受け取っておられたようですが、
意外な内容に少し驚いておられました。
花壇奥にあった既存のクスノキ、ツゲ、ゴールドクレストなどを撤去して
建物の外観に合わせた植栽も施工しました。
自動灌水工事は、S部長が、遠くにあった水源を活かして、使いやすいように施工しました。
花壇は、まず、地こしらえをしっかり行いました。
作業全体を100としたら、植え込みにかかる時間はそのうちの30ぐらいでしょうか。
どちらかというと、土を耕したり、その土に合った土壌改良材を入れたりのベースづくりに
時間をかけます。というのも、土が良い状態であれば、水さえやれば、苗は大抵育ちます。
今回のように、自動灌水があれば生育の心配というより、より美しく育てる管理
に時間をかけることができます。
こちらの花壇の土はやや砂質だったので、堆肥を加えて耕し、有機一発肥料を入れました。

秋の風情をたっぷりと。既存のティーツリーや、ヘリクリサムや、ローズマリー
アガパンサスなども生かして完成です。銀灰色のヘリクリサムの周りには淡い色の
トルコキキョウやペンタスの横にアクセントとして、ストラビランテスの赤紫の葉を
入れました。


苗はできる限り丈夫で、管理しやすいものを選びました。
翌日K専務と、クスやツゲ、ゴールドクレストの後に抜根も行いながら、
ブラシノキ(赤)、フイリサカキ、マホニアコンフューサをしっかり水極めして植え込みました。
足元はクリスマスローズやベアグラスなどで覆いました。
お忙しい合間を縫って、作業の後を見て下さった院長先生と奥様の笑顔で
私たちもとても気持ちよく作業を終えることができました。

秋色でも淡い色系の花をハナミズキさんが今月の花で紹介してくれています。
また『ウルトラQ』(年齢が出ていますが・・・)に出てくる怪獣のような顔の
ガが登場するDr.カーバチ・・も更新しておりますので合わせてお楽しみください。

週明けは、昨年の末に施工した、土が全く無いお庭の、Nさんのお宅に伺います。
夏を越して、照り返しのきついタイル上の、コンテナガーデンがどんな状態で残ったかが楽しみです。

山の奥にも鹿ぞ鳴くなる・・・


2012年10月2日

表題の百人一首の上の句は、「世の中よ道こそなけれ思ひ入る・・」となります。
意味は、「世の中にあるつらいことから逃れる道はないのだ。
世を捨てて入ったこの山の奥でさえ、つらいことがあるのか、
鹿が悲しそうに鳴いている」
ホーッと深いため息さえ聞こえてきそうなちょっと暗い歌です。

私は子供の頃から百人一首のかるた取りが大好きで、
百人一首の歌の意味も分からず丸暗記していました。
一回り以上歳の離れた、叔父や叔母たちに手ほどきを受けました。
小さな子供と言えど容赦なく、私の18番(お気に入りの札)を取られて、
泣きべそをかきながらゲームに参加していました。
叔父や叔母たちは、上の句を読み始めた段階でもう、下の句の札を 取ってしまい、
時に、最初の一文字で決着する場合もありました。
叔母には「勝負の世界は厳しいのよ!」と言われ、自分も取れるように一生懸命覚えました。
おかげで随分きたえられました。もう50年近く前のことです。

大人になり、結婚前のお正月に振袖を来て、主人の実家に挨拶に伺ったことがありました。
亡くなった姑が桐の箱に入ったかるたを持ち出して百人一首をしようと言いました。
「ひとみちゃんもできる?」「ハイ・・少し」と慣れない着物姿の私はしとやか?に応えました。
始まったのですが・・・これまで私が経験してきたかるた取りと様子が違うのです。
というか多分これが普通なのでしょうが。
みなさんのんびりと、下の句まで聞いて、それからじっくりと探し始めるのです。
最初の方こそ、そのペースに合わせて、(あそこ!あそこにあるのに!)を
心に思いながらも『控えめ』に取っていた私ですが。だんだんストレスが
溜まってきました。ついに、我慢できずに、いつものペースで取り始めました。
ふと気が付くと、たくさんの視線が、邪魔になった振袖をたくし上げていた私に
注がれているのに気づきました。

それから何年か経ち。自分と同じように、百人一首を息子たちにも教えました。
覚えた札だけを一生懸命手元に置く長男から私は容赦なく札をかっさらい。
「勝負の世界は厳しいのよ!」と言っていました。
長男は、私と同じように涙をぬぐいながらも覚えていきました。
気短な次男にいたっては、取られると、悔しさの余り、並んだ札をぐちゃぐちゃにして
怒りました。かつて、次男の歯型(札にかみついたのですが)がついた札がありました。
もっともその次男が、後日一番強くなりました。
のちに、成長した息子たちから
「お母さん。百人一首って恋の歌とかきれいな歌やったんや。
味わう前に丸暗記して、なんか損した気分」と
言われましたが。

さて、表題のこの句。実は近頃の私の気持ちを連想させるものでした。
さすがに山にこもることはできません。
よくある話と言ってしまえばそれまでですが・・・
今抱えていることを笑い飛ばせる日までは、まだまだ時間がかかりそうです。
そのときは大いにネタにして自分の愚かさを笑ってみたいところです。
もっとも、うちの事務所のモットーは笑う門には福来るです。
ときに、笑ってる場合でないときにも、大声で笑いすぎて、
電話で接客中のK専務に叱られるほどですが。

とは言うものの、世の中よ・・・の歌がつい心の中にひびいてしまう今日この頃です。


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