ハイイロフクロホコリ(粘菌)(№375)

 葉縁部が少し盛り上がり灰色に縁取られているシロツメクサが見られました。これは粘菌類(変形菌類)の一種でハイイロフクロホコリと呼ばれるものの子実体がシロツメクサの葉縁に形成されたものです。
 粘菌類は動物でも植物でもない生物として分類される変わった生き物です。子実体で胞子が作られるところは植物のようであり、胞子から産まれたアメーバー(変形体)が自由に動き回るところはまったく動物のようです。アメーバーは最初は半数体ですが、やがて他のアメーバーと合体し倍数体となります。このアメーバーは原形質の塊で、多くの核を含む生物です。最後には植物の葉の先端など高い場所で減数分裂後再び半数体の子実体になるという一生を経過します。原生動物または菌類に分類されるのでしょうか。
 他の菌類やバクテリア類を餌としているようですが、人間との利害関係など殆どわかっていませんが、一部では実験生物として利用されているようです。また、この胞子を餌とする昆虫類(ヒメキノコムシ科、デオキノコムシ科、セスジムシ科などの昆虫)が知られていますが詳細は謎に包まれているようです。
▲ハイイロフクロホコリ子実体の集合体
▲ハイイロフクロホコリ子実体の集合体

クスベニヒラタカスミカメムシ(№374)

 晩春になると、常緑樹の多くが落葉します。クスの木も同様に落葉しますが、一斉に葉を落とすため春の落葉として目立ちます。ところが昨年、今年と夏になっても落葉が止まらない木が目立ちます。
 原因はまだ断定されていませんがカメムシの1種クスベニヒラタカスミカメムシの爆発的な発生と関係するように思われています。
 クスベニヒラタカスミカメムシは2015年、中国から近畿地方に進入したらしく日本に天敵がいないためか爆発的に発生しています。8月に入っても多数の落葉が見られるクスの木を調べると、葉に褐色の斑点が多数見られ、このカメムシが発生していることが多いことからクスベニヒラタカスミカメムシが吸汁したことで葉に褐色斑点が生じ、落葉するようです。今のところ落葉することでクスの樹勢が弱り、枯死した例はありませんが何らかの影響はあるものと考えられます。
 クスベニヒラタカスミカメムシは、体長5mm程度の紡錘形をした小さなカメムシで、拡大してみると触角が鮮やかな赤色をしているのが特長です。今後の動向に注意したい害虫の一つです。
▲クスの木の夏季落葉
▲クスの葉の褐色斑点
▲クスベニヒラタカスミカメムシ

スモークツリー(№373)

 初夏の頃、枝先に糸状のもやもやしたものをたくさんつけた木がよく見られます。
スモークツリーと呼ばれる木で、雌雄異株のウルシ科の落葉樹です。穂状の花をつけますが花の後、花梗が伸び更に細毛が生えるため、遠目には煙のように見えることからスモークツリーとよばれます。雌雄異株で雌の株にしかスモークは見られません。ウルシ科ですので、秋には紅葉が見られます。園芸品種も多く、白から桃色、赤色などが見られます。スモークは雌の木ですので果実があるかどうかを見たところ、数mmの小さな果実らしいものが見られました。
 庭木としては枝張りが暴れやすく、2年枝に花が付くことから剪定も面倒で植木屋にはあまり歓迎されない木の一つです。
▲スモークツリー
▲スモークツリーの果実
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