テイカカズラミタマバエ(№420)

 テイカカズラ(№299)は既にご紹介しましたように、果実はササゲのような長さ20cm程度の莢を2本ずつぶら下げるはずですが、写真のように2つの莢の一部がくっついた果実が見られました。中を割ってみると、ウジムシが多数見られました。このウジムシはテイカカズラミタマバエの幼虫で、このタマバエが寄生したためにテイカカズラの果実が奇形化したものです。奇形となった果実はテイカカズラミサキフクレフシと呼ばれ、虫嬰(ゴール)の一種です。
 晩秋、虫嬰から幼虫が脱出、土中で越冬し翌年成虫のタマバエが出てくるそうです。タマバエの成虫は移動距離が短いようで、集中的に発生し、どこででも見られるものではありませんが、一つ見つかると近くに数個見られることが多いようです。
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▲壁面に繁茂するテイカカズラ
▲テイカカズラの果実
▲テイカカズラミサキフクレフシ
▲テイカカズラミタマバエ幼虫の脱出孔

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トウネズミモチ(№419)

 11月末になると街路樹や生垣に黒いネズミの糞(といっても最近は殆ど見かけませんが)のような果実を鈴なりに付けた中木(10m程度)を見かけるようになります。果実の無い春から夏には殆ど見向きもされない木ですが、秋になると大量に果実を付けるため注目されるようになります。
 この木は中国原産の外来種トウネズミモチで、モクセイ科イボタノキ属に分類されます。丈夫で公害にも強いため1960年代から市街地の緑化に盛んに使われました。6~7月頃黄白色の花を付け、昆虫を誘引し大量に結実します。秋には紫黒色に熟し、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、シジュウガラなどの餌となり、大量の種子が鳥散布され各地で繁殖することから、今では生態系被害防止外来種としてリストアップされています。
 近縁種に在来種のネズミモチがあり、非常によく似ており外見から区別するのは容易ではありません。ただ、ネズミモチの葉は厚く、葉の裏から透かしてみるとトウネズミモチは主脈、側脈がはっきり透けて見えますが、ネズミモチでは主脈は見えますが側脈が見えない点で確実に区別できます。
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▲トウネズミモチの果実
▲左:ネズミモチ、右:トウネズミモチの葉

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ルビーロウカイガラムシ(№418)

 ツバキ、ゲッケイジュ、モチノキ、ソヨゴなどの庭木やミカン、カキ、チャ等の果樹一般に広く寄生する害虫にルビーロウカイガラムシ(別名ルビーロウムシ)があります。雌成虫の体長は4~5mmで、ルビー色の丸い塊状で枝にびっしり付いているのがこの害虫です。
 カメムシ目カタカイガラムシ科のカイガラムシで、背面を覆っているルビー色のロウ物質の下に雌成虫がいます。枝の篩管に口針を差込みその位置に定着しています。樹液を吸汁し、植物の生育を阻害するだけではなく、篩管からの吸汁で、糖質の多い排泄物を出すことで植物の葉にスス病を発生させるなどの被害が生じ重要な害虫に入れられます。
 秋に成虫になりますが、雄(一対の翅を持つ)は殆ど現れず雌だけの単為生殖で増殖します。春にロウ物質の中で産卵し産卵後雌も死亡します。5月下旬~7月上旬に幼虫が孵化し、しばらく歩行しながら定着場所を探し、一旦定着するとその後移動することはありません。ロウ物質の帽子のツバのような部分に所々白い部分が見られますが、この奥に気門が開いていて呼吸しています。
 重要な害虫ですが、体がロウ物質で覆われているため薬剤による防除は困難です。薬剤による防除が有効なのは、幼虫孵化期の殺虫剤散布か冬季のオイル系薬剤散布で窒息死させる方法のみです。他には発生を認めたらブラシで擦り取る方法も有効です。なお、日本では有効な天敵のルビーアカヤドリコバチが活動しており大発生してもいつの間にかいなくなることもあります。
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▲ルビーロウカイガラムシ雌成虫
▲枝に大量に寄生し、葉にはスス病が発生

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