ハネナガオオアブラムシ(№435)

 針葉樹の枝や幹に寄生するアブラムシで暗褐色、比較的大型のアブラムシがいます。
 ハネナガオオアブラムシと呼ばれ、カメムシ目アブラムシ科の昆虫です。有翅型と無翅型がいますが、有翅型成虫は体長1cmにもなります。無翅型成虫でも体長6~7mmもあり暗褐色の成幼虫が枝にびっしりと寄生することがあります。寄生密度が高くなると、排出される甘露が枝や葉を汚しスス病が発生することがあります。卵で越冬し春から秋にかけて増殖します。モミ属針葉樹のトドマツ、モミ、イヌガヤ等を好むようです。本州ではモミ(クリスマスツリーなど)の木で発生すると枝の伸長が停止したり、枝枯れを起こすことがあり、ひどい場合は樹勢の低下につながるようですのでクリスマスツリーなどに利用するために植えている場合には特に油断は出来ません。
 アブラムシ剤の散布で防除が出来ます。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ハネナガオオアブラムシ無翅型
▲ハネナガオオアブラムシ無翅型

                        homeへ

クリスマスローズ(№434)

 クリスマスローズは花の少ない厳寒期の花として人気があります。キンポウゲ科クリスマスローズ属の植物ですが、日本でクリスマスローズと呼ぶこの仲間は欧米ではクリスマスローズとレンテンローズにはっきりと区別されています。前者は12月のクリスマス頃に開花し、春先2~4月に咲くのがレンテンローズです。日本ではどちらも区別せずにクリスマスローズと呼ばれています。
 この花は、開花期間が長いことでも喜ばれますが、科学的に見るとそうでもありません。クリスマスローズの花びらに見えるのはガク片で、開花と同時に開きます。花弁に当たるものは蜜弁(蜜腺)としてガク片と雄しべの間に筒のような形で存在します。しかし開花後、蜜弁(花弁の変化したもの)、雄しべはやがて落下してしまいます。通常の花では落花となり、花は終わったことになりますがクリスマスローズではガク片はそのまま残り、一見開花中のように見えます。クリスマスローズの花は下向きに開き、内部の様子は上からでは見えにくく、果実が肥大しても外見は変わらないため、非常に長期間、多数の花が咲いているように見えます。
 ところでキンポウゲ科の植物には有毒なものが多いことはよく知られています。クリスマスローズの学名Helleborus(属)の意味はギリシャ語のhelein=殺す、bore=食物から来ているといわれるようにカブレ、吐き気、腹痛、下痢などの症状を引き起こします。特に根茎は危険といわれています。文献上も川に流して化学兵器として使われた記録もあるそうです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲クリスマスローズの花
▲左:開花中(蜜弁が見える)、中央:落花後、右:種子肥大期
▲同じ花を裏から見たもの(落花後も開花中と同様に見える)

                        homeへ

アカガエル(№433)

 3月初旬、山間の水を張った水田や、池沼でオタマジャクシが見られることがあります。これは、2月に産卵されたカエルの卵が孵化し、オタマジャクシになったものです。2月といえばまだ厳寒期、このアワテンボウのカエルはアカガエルの仲間で、山麓ではヤマアカガエルが、平地ではニホンアカガエルが多いそうですが、これらは混生する場合もあります。最近、水田の耕地整理が進められ平地の水田は冬季乾燥状態が維持されるようになったため、ニホンアカガエルの生息場所が減少しているとも言われています。
 この2種のアカガエルはカエルの中でも最も早い産卵期を迎えますが、産卵を終えたカエルは、餌となる小昆虫などもまだ充分に活動していないこともあり、再び春まで冬眠に入ってしまいます。卵から孵った幼体(オタマジャクシ)は、最初は主として植物質の餌を食べて成長しますが、その成長速度は遅く、夏ごろまでかかって変態し成体になります。餌も、次第に動物質のものをとるようになり成体は昆虫やミミズなど完全に動物食となります。長期間オタマジャクシで過ごすため、捕食される危険性や乾燥による死亡など成体への道のりはかなり厳しいようです。
 なお、ニホンアカガエルの成体は背中側から見える黄色の2本の線がほぼ直線ですが、ヤマアカガエルは、目の後ろで山形に下へ曲がる点で区別できます。また、ヤマアカガエルによく似たタゴガエルという種類もいますがタゴガエルは伏流水にしか産卵せず、産卵期も4~5月と遅い時期になるため、2~3月に池や水田で見られる卵塊、オタマジャクシは先の2種のいずれかになります。 
(*画像をクリックすると拡大されます)
 
 
◀アカガエルの卵塊とオタマジャクシ
 
 

                         homeへ

 

Older Posts

ページトップへ