園芸種と雑草


2012年7月31日

ようやく除草作業が終了です。
数日前に刈った部分からはちらほら緑の茎が見えます。
本当は一気に刈り上げたらこんな風景は作業中には現れませんが、
この時期能率を上げるのは命取りにもなりそうです。
いつもより慎重に、それでもやるべきことはやりながらの作業でした。

私たちの仕事は本来植物と向き合って植物と心通わせながら、
人間に心地よい空間を作り上げるところに醍醐味があるのですが。
こと除草作業に関しては、まるで植物と戦っているような気になります。
植物が生き物である凄さを身近に感じるのは成長期である真夏の植栽管理です。
数日前にゼロ状態に戻したはずの茎から緑色の茎葉が出てくるのはある意味脅威です。
もちろんまとまった雨などこのところ降っていません。土もカラカラ状態
にもかかわらず、その状態に耐えて生き抜いていきます。敵ながらあっぱれです。
こんな姿を見ていると、『緑を大切に』などと言う言葉が空虚に感じます。
緑の質さえ問わなければ放置しても人間の領域が緑に覆われるのは時間の問題です。
ただそこは文字通り『緑も色々』で結局栽培種もしくは人間が特定した植物を
選抜するためには人力によるコントロールが必要です。

例えば花にしても園芸種は、人が水をやって管理しないとあっという間に枯れてしまいます。
特に、よく言われる『鉢が乾いたらたっぷり水をやりましょう』という
水やりの鉄則も、この時期には、少しきわどい状況になります。
毎日乾く前に朝涼しい時に、鉢に行きわたるように水をやり、
夕方にまたもう1回水をやるというようなこまめな水やりが有効です。
カラカラに乾ききって一気に水をやっても手遅れ感があります。
このあたりの省力化は自動灌水が本当に便利です。
園芸種のように人間の管理が必要な植物にはぴったりです。

と書きながらふと『こまめな水やり』という言葉に引っ掛かりました。
ここ数日ずっと意識していた『こまめな給水』を思い出したのです。
熱中症対策の鉄則ですが。
朝一番コップの水を飲み、あとはこまめな給水が有効ということは
まさに、園芸種の水管理と同じです。
もしかしたら、人間を植物に置き換えるといつの間にか『園芸種』に
なっているのかもしれません。
人間はこの管理された空間の中でしか生きていけないのかもしれません。


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