朝顔につるべ取られて・・・


2012年8月15日

という俳句がありましたが、日本のアサガオは夏の風物詩です。
今でこそゴーヤにお株を奪われがちですが、真夏の日差しをさえぎるのに
ヨシズや、スダレと共にアサガオも、それなりにスクリーンとして
利用されていたようにも思います。最も実用というよりやはり風情を
楽しむ行灯仕立ての鉢植えが多かったのかもしれませんが。

私がアサガオで連想するのは、30数年前小学校の教師だった頃の
1年生を担任したときの鉢植え栽培のアサガオです。
プラスチックの鉢に種を蒔いて育ち方を観察します。
ぷっくりと膨らんだ双葉から本葉が出て、やがてつるが出始め
花がつき始めると、一番最初に咲いた花の持ち主はちょっと自慢気でした。
そこからたくさんのつるがどんどん絡まり、茂り始め、水やりの量も増えて、
1学期終了の個人懇談で保護者の方に一鉢一鉢手渡して
持ち帰っていただいた時には新任教師の私もホッと一息という感じでした。
もっとも、親になったときは、息子が持ち帰ったアサガオの鉢を
夏休みの間中、枯らさない様に維持する立場でした。
鉢に入っている土の量が少なめなのか水切れしやすく、それなのに頼まれて、
田舎に帰省したママ友から別の鉢を預ったときはちょっとプレッシャーでした。

そんな思い出の植木鉢のアサガオが今年珍しくエコ・ワークスにお目見えしました。
それは宇宙アサガオと呼ばれるアサガオです(詳細は今月の花に)。


Mさんがずっと観察記録をつけてくれていました。
エコ・ワークスにはかつて某大手企業で肥料や農薬の開発に携わっていた
K専務がいるので、栽培試験や、発芽試験などもよく行います。
そのための試験用の種も冷蔵庫に常備しています。
つい鑑賞に終わりがちな栽培も観察となると比較や定期の記録が必要で、
それなりの量を育てます。
今回K専務の依頼で、Mさんが、栽培の記録を取りました。
種を増やすことが主な目的なので実験開始時は3粒だけでした。
データを取るのは面倒ですが、生育の経過が良く分かります。

Mさんは事務の仕事でも記録を取るのが得意ですが、今回も肥料の量なども、
記載していました。どの種もほとんど同じ条件下で順調に育っています。

忙しい事務の仕事の合間の手際良い記録作業でしたが、
もちろん休日などの水やりも含めて自動潅水(スプレータイプ)は強い味方でした。

小さい秋見つけた♪


2012年8月10日

最近あまりに現実を見すぎて、心の潤いが無くなりがちです。
そんな自分自身に気づいてうろたえることがありました。
それはアニメのトトロを見ていたときのことでした。

久々の放映に何気なくチャンネルを合わせたとき、ちょうど主人公の姉妹と
トトロが、庭にどんぐりの種を播いて森を作ろうとしているシーンでした。
夜の庭に、奇妙な祈り?の音楽とともに、土の中からたくさんのどんぐりが
発芽して、ぐんぐん成長し、天を突くような巨大な樹木に伸びていきます。
これまでそのシーンを、結構のびやかで気持ちよく、
トトロのシンボルのようなイメージで見ていた私でしたが・・・
この夏、あまりに植物と格闘していたせいか、思わず(剪定しないと大変だ)
と思ってしまったのです。庭がジャングルのようになってしまって
どうしようもなくなってしまった個人邸の光景と重なりました。
しかし、一瞬でもそんな風に思った自分が少々哀しくなったのも事実です。
それでも、仕事として選んだのです。

そんな気持ちも引きずりながら、この二日ほど自動灌水工事の男性陣とは別に、
路面電車沿いの花壇(100㎡)の除草作業をしていました。
秋に花畑にするべく種を播いたキバナコスモスにスベリヒユや、ハマスゲが
侵入してきていたのです。せっかくの肥料分が横取りされそうです。
厳しい夏を超え、ポーチュラカやアスクレピアスやジニアプロフュージョン他
暑さに強い品種が、沿線沿いのあちらこちらの花壇で色とりどりに咲いています。
炎天下にも黙々と草を抜いていたNさんご夫妻や、「・・・は可愛そうな状態だったから
多めに撒いた」と臨機応変のYさんの灌水。などなどいろんな人の手で
何とか夏の管理をしのげそうです。
様子を見に行ったのですが、つい気になる雑草に手が出てしまいました。
意を決して地面にしゃがみ込むと、意外に涼しく感じてはかどりました。
後で、その日の気温が33℃で35℃を下回っていたことを知りました。
この数度の差は大きいです。

まだまだお盆も暑い日が続きそうですが、ほんの数度の差に、ささやかな幸せ感を
持つことができるこの仕事も、まんざら捨てたものではないなと思いました。

更新しました


2012年8月3日

今月の花』、『Dr.カーバチの虫めがね』が更新しました。


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