剪定作業の醍醐味


2011年6月16日

植物は基本的には、光の取り合いですので、みな光を求めて枝を伸ばします。
限られたスペースに、本来の成長具合からは混みすぎてしまうほど
植えたのであれば、人間がそれをコントロールしないと
大変なことになります。
先日、あるお客様からのご依頼がありました。
「空き家だった家に入居したのですが、庭が荒れ放題です。
日中は仕事でいません。外側から眺められるのでいつでも
見積もりに来てください。アジサイは今咲いているのだけど、
切れないので残しておいてください」というものでした。
(アジサイが切れない??とはどういう意味だろうと)
すぐにK専務が見積もりに伺いました。
私たちの仕事は、現場を見ないと怖いです。
というのも、随分前に「棒ガシ1本の剪定」と聞いて、
軽トラックで伺ったら、棒ではなく電柱ぐらいで、剪定枝葉の
回収に2t車が必要になったことがありました。
ほんの2mの高さというのが5mだったとか。
樹木のボリュームは見慣れていても積算数値に表すのは難しいのです。
さて、現地で切れない理由はすぐにわかりました。
アジサイは、草に埋もれていました。花はちらほら見えますが、近づけません。
樹木が重なりあっているので、K専務はバードウォッチングのように、
目を凝らして、樹形や葉を頼りに、樹木の種類とボリュームを確かめます。

全体像

何とかご予算に応じて、「エコ・ワークス価格」でお請けしました。
「今回の作業はやりがいがあるなあ!」と士気を高めつつ、
現場に入りました。剪定、バリカン、除草、収集、積み込み、美化清掃と
役割を分担し、手際よく作業します。
緑の塊の中から、徐々にかつての主の庭への思いが現れてきます。
草むらの花壇にマジックの字の消えかけた白いラベルとエビネが出てきました。
オモトもいろんな品種がありました。生き残ったひょろひょろの園芸種の
宿根草も現れてきました。光に当たるようになれば次は花が咲くでしょう。
石灯籠や、焼き物の狸の親子も出てきました。
ナシ、カリン、温州ミカン、ウメ、モモ、キンカン、レモンなどが
花木に混じって植えてありました。中央は芝生になっていました。

作業前ガレージから

作業後ガレージから

山の中に生えているようなクロガネモチも仕立てた形に戻りました。
四方八方に延びていたシダレウメも、鑑賞用の枝垂れになりました。
かつてのお庭の賑わいを想像しつつ、どんどん復元していきます。
2t車に山のような枝葉ゴミを積み上げて、次回の薬剤散布で完成です。
通常の作業よりエネルギーは消費しますが。達成感は大きいです。
後で「昨日はありがとうございました。こんなにきれいにして頂いて
庭も見違えるようです。」と施主様から喜びのお言葉を
いただきました。また元気をいただけました。

全体像


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