嫁入り前


2011年6月6日

と呼んでいるのは、納品前のハンギングバスケットの花々です。
年間管理のお客様の中に、剪定や除草や薬剤散布の他に、
花壇の植え替えや、寄せ植えや、ハンギングバスケットの交換
などが加わる場合があります。
ハンギングバスケットは、植えた直後ではなく、
苗が生長して、茂り始めた頃が納品の時期です。
大体、容器が花で覆われるのに、2〜3週間近くかかります。
その間、自動潅水のチューブの届く、圃場棚で養生します。

この時期、気温の上昇と共に、植物の生育も早いので、
開花期間も早まりがちです。
お客様のところで見ごろを迎えるように、
基本的には受注生産で、納期を逆算しながら季節の花々を
植え込んでいきます。
スペースの限られたお庭でも、立体的に楽しめるハンギングバスケットは
容積の割合に、花がたくさん入っているので維持は結構難しいです。
水やりと、肥料と、切り戻し作業がポイントになります。
このあたりの技術の普及のためや、デザイン性向上のために
ハンギングバスケットマスターという資格制度もあります。
私も取得しています。
寄せ植えとは一味違うハンギングバスケットを、時期によっては、
何十個と管理しています。通常の手法の管理では扱えない数です。
省力化の決め手は自動潅水と、緩効性肥料です。
元々限られた容積にたくさんの根鉢が詰まっているので、
水分の補給は大事なのですが、一気に与えてしまうと
水の通り道ができて、水切れを起こす箇所が出てきます。
その点、点滴型のノズルで水をやると適度な水が
鉢全体に無理なく行き渡ります。
染み出る水が元肥として入れてある、緩効性肥料をゆっくりと
溶かして草花に栄養を与えます。
頻繁に液肥を与える手法もありますが、少し時間は
かかっても、元肥を入れておく方が扱いやすいです。
花は、比較的管理しやすく、開花期間が長いものを選びます。

植え込み2週間後

定番の花がら摘みを行い、徒長した茎を切り戻し、
脇芽を増やして、全体のボリュームを上げていきます。
植え込んだ当初貧弱だったハンギングバスケットを
花が咲き始めるたびに、早めにカットします。次々に
蕾が上がる頃に、納品(お嫁入り)です。

この時期、流通名スタージャスミン(和名テイカカズラ)のアーチの
香りのそばで粛々と作業をしている時間が私には至福のひとときです。

そのスタージャスミンが岩崎ちひろさん風の絵柄から画像に移り変わる
ハナミズキさんの
「今月の花」この時期ハンギングバスケットにかかせない
ペチュニアの大敵はナメクジです。その天敵で、気持ち悪いけれど私が
大切?にしているコウガイビルの話が出ているK専務の
「Dr.カーバチの虫めがね」もアップしましたので合わせてご覧ください。


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