〜月の光〜


2007年9月6日

母から絵手紙が届きました。
数年前から月に二枚、作品である葉書が私の手元に届きます。
テーマはいろいろ。画材も水彩、和紙のちぎり絵、水墨画、
時にチラシなどを使ったコラージュなど。
それに必ず言葉や詩が筆で添えられています。
私はそれを部屋に飾ります。毎月交換するのが楽しみです。
今月の一枚は秋月四日と書かれ、薄墨の三日月の絵の上に、
『月みる月はおおけれど 月みる月はこの月の月』の句の
月の字をいろんな字体(満月や半月もありそうな)で書かれた
ものでした。
熱帯夜では月まで暑苦しく感じてしまいそうでしたが
ようやく月も恋しくなりそうな秋の気配です。
今から20数年前。
私は小さな庭のついた、古い長屋風テラスハウスに住んでいました。
共働きで、長男が生まれてあわただしく。
せっかくの庭があっても、いつも洗濯物は夜遅く
二階のベランダに干す毎日でした。
ある日ベランダに立つと、地面も草木もみんな銀色に輝いているのです。
大きな満月の夜でした。
昼の光とは全く違って、緑や花色も見えず、みな静かにまるで金属のように
冷たく光る、不思議な光景でした。
昼間よりある意味心安らぐ風景です。
満月の夜を楽しめる庭。涼風に葉ずれの音のなる樹木のコンテナと
池に見立てて、月が映るように、鉢の中に水を張ったベランダの庭・・・
イメージが広がります。


ページトップへ