少しずつ季節はめぐります


2007年8月29日

今日は少し秋空を思わせるような朝でした。
朝一番はT部長の大道筋沿いの潅水の出動。
次に枚方方面のK邸の全自動潅水の工事にK専務が出発。
現地でS部長と合流です。
Kさんのお宅では10年前に全自潅水を設置されました。
ところが敷設したホースでは、均一に水が出ず、
水源近くは出すぎて、先端部分の水が出にくい状態でした。
加えてホースもサツキの上を這うようで見栄えがよくありません。
全部交換することになりました。
潅水コンピューターも3台ついていたのですが、1台は作動しなくなっていました。
当初既存の潅水コンピューターを生かすプランをご提案したのですが、
それも交換して欲しいと言われました。
結局新しい潅水コンピューターにすると2台分が1台ですむことが分かり、
合計2台で設計できました。
作業はスムーズにはかどり、すっきりとした仕上げに施主様も満足でした。
私は和泉市のIさんのお宅に玄関前花壇のプランのお話に伺いました。
とてもモダンな建物にセンス良くお暮らしです。
玄関前の既存の緑を生かした花壇をお望みでした。
日当たりが良くない場所なので、それをいつも意識して植栽を選んでおられ、
草花についてとてもよくご存知でした。
ご自分でも楽しみたいので、ベースを作って欲しいとのことでした。
それで生駒石の縁石でロックガーデン風に、
所々に白や黄色のフイリの日陰に強い植物を配置して
明るさを出しました。
ポイントの部分は施主様が季節折々に
入れ替えて楽しむという内容でした。
週明けに敷地外側の二箇所の植栽部分も含めて、
半自動潅水のホース敷設と一緒に施工することになりました。
完成すると敷地内から出ずに水遣りが可能になります。
まだまだ暑さが続きますが、涼しい秋の園芸シーズンはもうすぐです。

始まり


2007年8月28日

私が一番好きな花はスイートピーです。
この花を好きな方は多くて、たくさんの花を扱う人間にしては平凡です。
私の母方の叔父はとても園芸が好きでした。
もう40数年以上も前に、社宅の庭に芝生を植え、池を作っていました。
芝生の周りにバラを植え、それぞれに手作りの名札をつけていました。
電線を巻いてあった大きなドラムにブリキを張ってテーブルをしつらえ
親類を集めて野外のパーティもしていました。
私がまだ小学校へも上がらない頃、その叔父が
ある日素焼きの鉢を大事そうに私に見せてくれました。
それは頼りなげに支柱に寄り添う、小さな花でした。
まるでバレーの衣装のようなフリルと濃いピンクの色が
私の目に焼きつきました。
それが巻きひげといっしょに風でフルフルと揺れているのです。
すぐに私は叔父に「種をちょうだい!」とねだりました。
笑って約束してくれた叔父は後日、私の見ている前で
カサカサになるまで乾いたその苗のさやから種を抜き取ってくれました。
鉢植えだったので、さや数はあまり無く貴重な種でした。
ちり紙に包んだその大事な種を私は家に持ち帰って庭に蒔きました。
残念ながら種まきの時期が外れていたのか芽は出ませんでした。
今から思えば原種のスイートピーだったと思います。
あれから随分日が経って、花屋の店先には
とてもカラフルな大きな花のスイートピーが
並んでいます。寄せ植え用の矮性化したものも出回っています。
私も毎年庭に種を蒔いて育てていました。
それでも、今でもすぐに目に浮かぶ、鮮やかなピンクの小さな花が
私のスイートピーのイメージです。
早く亡くなった叔父の思い出とともに、私の園芸の原点です。


手前味噌な話 その1


2007年8月16日

人間にも植物にとっても厳しい暑さが続きます。
うちのように植物相手の仕事は夏場の水管理は重要です。
直植えしたものは植物自身の根が水を求めて下に伸びていきますが
ポット苗や鉢植えや壁面の緑は人間の与える水が唯一の生命線です。
夏場でも大量の苗を仕入れて、それらを作業日まで管理するのは
面倒な上、枯らすリスクの高い作業です。
が・・・うちには秘密兵器があるのです!
某大手企業で肥料・農薬の開発に携わった後
『潅水のK』と言われたK専務とS部長の製作による
通称「エコ・スプレー」です。

エコ・スプレーによるポット苗の潅水風景

写真のように、ミスト状の水が水平に飛び散ります。
拡大すると、ノズルから細かい水滴が出ています。

今日のような暑い日は潅水のときに顔を近づけると
まさに『肌水』状態で気持ちが良いです。
適切なスプレーノズルを選ぶことで、潅水面積をカバーし、
ジョイントでいくつも連続します。高さも状況に合わせます。
さらに女性でも簡単に持ち運び可能です。
潅水コンピュータを取り付けると完全自動です。
蛇口に取り付けるので、二口蛇口にすると通常のホースも使用できます。

ちなみにうちは明け方と夕方に設定しています。
条件によっては他の潅水器具(点滴ホースや鉢植え用のドリップなど)と
組み合わせたシステムも設計できます。
実はこのエコ・スプレーのシステムはハナショウブで有名な
堺の白鷺公園の苗の圃場で利用されています。

圃場内では苗の高さや腰水の深さに合わせてエコ・スプレーの高さを調整

花の咲き具合に大きく影響する春の連休中などの、
職員の方々の休日の潅水作業を自動化しました。
今年の花はご覧のように見事でした!
(というか、『今年も』でしょう。去年を知りません。スミマセン)

次回は個人邸での事例です。
今ブームの苔玉の夏場の管理に困っておられた施主様のために
S部長が設計したシステムです。

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