泥にまみれてよ~♪


2016年6月30日

なぜか頭に浮かんだ子供のころ聞いた、甲高い男声の歌。
三橋美智也さんのヒット曲『達者でな』の最初は泥にまみれるのではなく
『藁』でしたが・・・

この二日間、ドンピシャの天気予報通りに雨が降り、エコ・ワークスの面々は
各自ドロドロになりながらの作業でした。
とりわけ、4月以来ずっとプレッシャーだった作業の一つ『花菖蒲の株分け』
作業がようやく終了しました。担当の方は、超ベテランの方で、さまざまな
下準備や段取りを含めたご指導は、初心者の私たちには、心強かったです。
作業内容は、現在植えられた花菖蒲をいったん掘り上げ、一つ一つの株の
葉を切りそろえ、株をナタで割り、選別し、不要な部分を取り除く。
圃場は土壌改良し、良く耕した更地に、株分けした苗を規則正しく、品種ごとに
植える。という言葉では単純な作業です。が・・・・

満杯の状態の菖蒲園を、整理し直すということは、新しく植えるスペースづくりと
同時進行で、別の場所にある株の整理と、植え込みが速やかに行われなければ
なりません。珍しいと思われる品種は繁殖力も弱く、株分けしても余り残りません。
原種に近いものほど繁殖力が強く、大量に繁茂しています。
人間が贔屓しながら、殖え方を調整します。
葉を刈り取る作業と、ぬかるみ模様の圃場に植え込む作業はまるで、
稲刈りと、田植えが一挙に来た感じです。

細かな品種のどこのどれがどこに移動し・・・資材は何をどこにいかほど等。
頭と手と体をフル稼働にしなければなりません。幸か不幸か、人間にとっては
厳しい雨も、菖蒲にとっては、根の痛みを防ぐのに役立ちました。
ほぼ1t余りの残骸が菖蒲園から無くなり、スッキリとした感じです。
作業終了後、感想を聞かれ「これからいろんな菖蒲園でハナショウブが咲く景色を
見るたびに舞台裏のこと想像して、胸がチクリとします」と応えました。
そう言えば『菊作り菊見る人はよその人』という歌がありましたっけ。
まあどの仕事も、裏方作業というものはつきものですが。

この公園の菖蒲園は、面積はさほどありませんが、さまざまな品種が
区分けして植えられています。
車椅子とそのご家族の方を良くお見かけしたのも、きっと少しの散策で、
いろんな花景色が見られるからだと思います。大きな園も、小さな園も
日本には四季折々の花を楽しむ文化と、それが生み出す仕事があるのだと
つくづく思います。

今は植え込んだハナショウブが根付くことを願うばかりですが。


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