過ぎたるは・・・・・


2014年8月10日

及ばざるが如し。の例えどおり、望んでいた雨のとんでもない量は
各地にさまざまな水害を与えました。
特に台風は、去ってしまえば「一過」という一言で片付けられますが
過ぎるまでの時間が長ければ長いほど被害が大きくなります。
修復や後片付けも含め、去った後も大変な様子をニュース等で伺えます。
本当に日本は自然災害の多い国です。

随分昔に、なぜ日本で自然科学が生まれなかったかという話を聞きました。
西洋の場合は、自然現象を分析的に因果関係などで解釈する傾向がありました。
元々、考え方の中心にキリスト教をベースにした唯一の「神」の存在がありました。
ニュートンの物理学にしろ「神の一撃」で始まり、「神は無駄なものを作らない」
ことから「質量保存祖則」が生まれたり・・・と言うようなことに影響しました。
翻って日本の自然観は自然という言葉自体、「自ら然(よ)りて」というように
人間がコントロールする存在ではないと捉えていた・・・
そのせいで自然科学が発達しなかったというものです。

情報化の現代では、データに基づいた分析で自然現象でさえ詳細な予測が
可能になってきました。私たちは気象予報を見ながら、実際の画像も重ねて
自然災害を見ることが可能です。予測のおかげで、備えも早くなりますが、
現状との様子のギャップもあります。バーチャルな感じでテレビニュースで
見ていたのに、気づけばそれが地元で、いつの間にか画面と同じような
風雨の激しさが家の周りで起こっているという感じです。
同時に大きな台風の雲の動きに比べて私たちの生活圏が随分小さなものである
ことを痛切に感じてしまいました。

天に向かって「もうしばらく水を撒かなくて良いよ!」と叫びたいところでした。

 


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