されど芝生・・・・


2014年8月5日

ようやく雨が降りました。
ホッと一息です。ホースを親指で抑え水圧を調節しながら撒くのですが、
さすがに5時間以上になるとK専務のように腱鞘炎になってしまいそうです。
先週の金曜日までの悲壮な気持ちが雨のおかげで肩の荷が下りた感じです。

そんな日曜日の朝。以前からご相談を受けていたお庭のリフォームのお話に
伺いました。もうすぐ赤ちゃんが生まれる若いご夫婦のお客様です。
受け継がれた家の建物はリフォーム済みですが、庭の方が以前のままでした。
特に、畑にされていた広い面の雑草対策を中心に、子育てをメインの
お庭にしたいと言われました。ご予算の範囲で、芝生をご希望されました。

全面ではなく一部は枕木やレンガや地被植物でアクセントをつけても、
芝生の面積が結構あるのです。
この1週間、芝生の維持にピリピリしていたこともありますが、
これまで芝生の行きつく先をさんざん見てきたので、思わず念のため
『覚悟のほど』を確認してしまいました。

植物というのは、建造物と違って、出来上がりが最終ではありません。
どちらかというと、維持が大切な要素になります。建物が時間の経過とともに
どんどん劣化していくのに対し、植物はかけた時間分、どんどん良くなって値打ちが
上がっていきます。また植物は変化します。それは、身近な風景に彩りを添えます。
さらに、空気の浄化や、目隠しや、日陰として機能的にも役立ちます。
ただ放置すると本来の人間の目的から外れたものになっていきます。

その管理にどれほど時間をかけられるのかということで、ご提案内容が変わっていきます。
色々お話をしていく中で、お二人がお庭を、ライフスタイルに合わせて変化するものと
捉えておられることが分かりました。お子様の成長に合わせて変わっていくであろう、
暮らしの中での芝生だということで理解しました。
そう言えば、亡くなった私の父がかつて周囲の反対を押し切って庭の一部を芝生に
しました。もちろん途中で芝生は他のものに変わりました。我が家のアルバムの中に
初孫である長男が赤ちゃんのときに、緑の芝生で一緒に寝転んでいる写真があるのです。
父の幸せそうな顔に、ある種の『夢』がかなえられた達成感のようなものを、
今は感じることができます。

やはり『されど芝生』です。

 


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