指差しを控えないといけない花


2010年6月17日

今日は、珍しく、Mさんまで出動です。
潅水工事に行った男性陣の留守中、トラブル解決のため、重い鉢の搬入と、
土の入れ替えに、急遽手助けしてもらうことになりました。
現場仕様?でないMさんの参加で雰囲気はちょっとやわらかく変わります。
街中で緑地管理(特に花壇)の作業をしていると、
よく話しかけられます。「ボランティアですか?」と聞かれるときは
「プロです」と応えています。
先日は、ある公園で、何かのツアーとおぼしき、
60代後半ぐらいの男性グループが横を通られました。
そのうちの一人が、今を盛りに咲いている、
背の高い、ちょっと個性的な花の名前を聞かれました。
「あれは、アカンサスです」というと、別の方が、
うなずきながら、表題の「指差し・・・花」と言いました。
そしてニヤリと「あかん。指す」とつぶやかれました。
アニメなら私の顔にすだれの模様が入るところでした。
にぎやかに、通り過ぎて行かれました。
また、別の場所で花の手入れをしていると、お坊さんが
話しかけてこられました。低い静かな小さな声で、
「それはペチュニアですか?」と言われたので、そうだと応えると、
「横にあるのは、フウロウソウの仲間ですか?」(別科のアルケミラ・モリス)と、
珍しい名称が出たので、思わず、「詳しいですね。花がお好きですか?」
と問いました。すると呟くように、「『執着』はいけないのですが・・・」と
言われました。『執着』と言う言葉が私の頭の中で?を点滅させていると、
「今度生まれ変わるときは、ガーデナーになりたいですね。」と言われました。
思わず、「いつでもガーデナーになれるんじゃないですか?」と
言った後で、気づきました。
そう言えば、ガーデニングは、殺生の連続です。除草にしろ、害虫駆除にしろ。
どれも、きれいな花に執着した結果なのかもしれませんが。
害虫を一気に、殺めるときは心の中で(ゴメン)と言いますが、
逆立場で、「ゴメン」と言われて殺されるのはどんな気持ちかと
ふと思うことがあります。
別の歩道沿いの花の手入れをしていると、高齢の女性が、
「毎日見ているけどきれいね」と話しかけてこられました。
何でも、遠方に住む息子さんに、きれいだと思ったら声に出して花に
話しかけたら花も喜ぶと言われたそうです。
「朝の散歩のときに、花に向かって『あんたらきれいやね。ありがとう』って
言ってるから、きっと頭のおかしいおばあさんに見えるやろうね」と
言われました。
一生懸命植えた苗が、植えた後から、なくなってしまう情景は
少々つらいところですが、いろんな方の反応も私たちの頑張りを支えます。


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