植物のパワー2
2008年10月9日
私たちの仕事は生ものを扱うので、在庫を管理するのにはリスクがあります。
夏場は特に、痛みが早く、どうしようもない状態のものは処分となります。
また植え込んだものの交換で、痛んだ苗が戻る場合もあります。
苗の価格よりも、維持費の方が高くつくのは工業製品の比ではありません。
うちの場合は、自動潅水システムで省力化をはかっていますが、
そうでなければ、大量の仕入は逆に高くつきます。
相手は生き物ですが、どんどん処分していかなければなりません。
チクリと胸は痛んでも、仕事となると量が半端ではありません。
ときに時間があれば、そんな苗をダメもとで花壇に植え込んだりします。
写真のペンタスは夏場一旦枯れて撤去されてゴミになるところだったのですが、
根元の小さな新芽がけなげ?でしたので、植え込んで肥料をやりました。
今紅色の花をたくさんつけています。
一通り咲いてタネになったものを切り戻すのでますます花つきが増えます。
このニューギニアインパチェンスも、「あきらめ苗」でしたが、復活です。
最初から、良い苗を選んで、育てるのが、ガーデニングの鉄則です。
でなければ文字通り時間もお金も労力も無駄になってしまいます。
ですが、弱った苗や傷んだ苗を復活させるのもちょっとした醍醐味があります。
数字で表すと負のことでも、達成感を感じることが世の中にはあります。
手を加えた分への植物からの素直な反応を見るのは結構楽しいものです。
しかし、ビジネスという視点では大変難しいところです。
秋風の吹く、花壇中央のテーブルの足元には夏の作業の名残の
コスモスのこぼれたねが芽吹いていました。
数年前に一度植えたスターチスも、タネを蒔かないのに
どんどん元の場所から離れて芽を出します。
動けないはずの植物が少しずつ移動していくようです。
しっかりと花を咲かせたホウセンカも同様です。
人間にコントロールされる商品のような植物もやはり生き物として
したたかに生き残っていく姿は、ちょっと私を勇気付けます。