秋雨前線


2016年9月12日

少しずつ気温が下がってきました。それにつれて、朝と夜の気温の差が大きくなってきました。
植物は、そのような温度差のあるときに成長しやすいのです。しかも花の色もはっきりとしてきます。
この夏、何とか怒涛のような、酷暑を越えた花がようやく息を吹き返してきました。
残念ながら持ちこたえられずに討ち死にした花もたくさんあります。

先日読んでいた本で、植物にとって大事な温度は、どちらかというと『気温』では無く『葉温』だと
いうのです。人間で言う所の体温でしょうか?そう言えばこの夏、余りの光の強さに本来夏の暑さに
強いはずの品種の植物の葉が焼けていたりしたことがありました。葉温が限界を超えて上がったと
いうことなのでしょうか。葉温は、きつい光と、土が乾燥しているときに、一気に上がります。
ただ、光がきついときでも、風が吹くと変化します。表面に温度差ができることで、熱が逃げて
いくからです。酷暑でも風通しが良い場所だと比較的、葉温の上昇が防げます。
空気中の湿度が高いのに、土が乾いて水分不足でも葉温は上がりやすいです。
そんなときに、光があたると、いっぺんに葉が痛んでしまいます。湿度が高く土が乾くことはあまり
屋外ではありませんが、屋根があったり、ビニルハウスの中では起こりやすい状況です。
だから生産農家の大型ビニルハウスには、換気システムや、遮光ネットがかけられています。
そこで出荷された苗は、1週間ほど、通常の屋外の光に慣らす(順化)必要があります。

この夏、自分が不調だったせいか、酷暑の中の植物もとても大儀そうに見えました。
おでこに手を当てるように、葉を触れば、余計そのつらさがわかったかもしれません。
それでも、ようやく、ホッと一息つける気温の日々が増え始めました。

 


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