作りあげていくこと


2013年5月16日

今週から始まったマンションの工事もブロック積みはほぼ完成です。
造園業というのは、時に土木作業や左官作業を伴います。
私たちが良く行う自動灌水の工事の場合、管工事と、電気工事も伴います。

本格的な工事の場合や、工期の関係等で専門の方にお願いする場合もありますが、
今回の化粧ブロック積み(51m2段)は自分たちで作業をしています。
昨日時間をかけて、土台の水平を取りました。
既存の基礎部のコンクリートは年月がたって水平とはいえません。
またまっすぐに見えても横の歩道に合わせて湾曲しているのでそれも調整しなければ
なりません。
水糸を張って、何度も慎重に調整します。この部分が重要な作業です。
一段目は常に水平を取りながら、慎重に置いていきます。
昨日その一段目が終了したので今日の2段目はひたすら同じ作業の繰り返しです。

左官の仕事は、繊細さと集中力と根気強さと、最後は筋力が要求されます。
それぞれの材料が重いのです。
材料はさまざまですが、共通して、セメントと砂と水でモルタルと呼ばれるものを作ります。
単純に混ぜれば良いというものではなく、作業により、分量(特に水の量)を調整して
仕上げます。
美容院で修業のスタートにシャンプー作業があるように、左官の仕事では
このモルタル作り作業が基本です。

トロ箱と呼ばれる入れ物に砂を入れ、セメントを入れ、かきまぜてから
水を入れてさらによく混ぜます。水の入れ具合で硬さ調整です。
言葉にすると簡単な手順です。モルタルの最初の部分は趣味のパン作りと
同じ要領なのでイメージとしてはよくわかるのです・・・・
1㎏の小麦粉が25㎏入りの砂やセメントに変わり。ボールの代わりに70ℓのトレーになり、
600ccほどの水が、バケツに代わるのです。水で生地の柔らかさを調整するのも同じ。
材料が数十倍になったのですから当然作業量が跳ね上がります。
大量の場合はミキサーなどを使います。今回は人力です。

まず、サーッと入れる材料が重いのです。こねるときも手ではなく全身です。
おもに使う身体の部分は腰です。
とにかく混ぜて、混ぜて、均質さを目指します。
作業能率とモルタルのでき具合は比例します。作業しづらいモルタル(ゆるすぎる、
硬すぎる、砂が多い)などは嫌がられます。このモルタルがあれよあれよと消費されます。
慣れた方は手早く均質に混ぜていきます。水加減も体で覚えるという感じです。

私は手元を手伝いました。作業をしやすいように、ブロックを足元に並べるのですが。
何せブロックは1個13㎏あります。私は一つで精いっぱいですが、男性スタッフは
左右で2個、中には4個持ちます。
何度も運んで置いているうちに結構な筋トレになりました。
(5㎏のお米なんて親指と人差し指で持てるわ)と言うぐらいの鍛え方です。
穴の中にモルタルを詰める作業では、入れたモルタルを鎮めるために、
アンカー止めした鉄筋を道具で軽く叩いて振動で落とします。

積み上げたブロックに、モルタルを乗せ、その上にブロックを乗せて、水糸に合わせて
ハンマーの柄で軽くコンコンと叩いて高さを調整し。ある程度の長さで目地をきれいにします。
程よい分量のモルタルを乗せ、リズミカルに、集中して作業します。
追いかけるように、裏側の目地の整理。穴の中にモルタルを詰めていきます。
ある程度進んだら上に鉄筋を渡して仕上げていきます。
あっという間に作業終了時刻が来てしまいました。

ガンダムスーツが欲しい一日でした。


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