雨です


2013年4月24日

一雨ごとに緑が増えていきます。
花ばかりに目を取られがちですが、新緑の美しさはこの季節ならではのものです。
新芽は、赤い色、黄緑、白っぽい緑などなど、とてもカラフルです。

今日は朝から雨です。屋外での作業はできそうにありません。
敷地内の温室でできる植え込み作業も事務処理の作業の合間で出たり入ったりです。

ビニルハウスの中
苗を育てたり、道具の手入れなどを行います。
奥のヤシの木は近々個人邸へ植え込みに使うものです。

子供の頃は軒先から落ちる雨の雫をひたすら眺め続けていたことが良くありました。
私は「かすみ(ひとみ)ちゃん」と呼ばれるほどのぼんやりした子供でした。
よくジーっと見ている間に、対象物に完全に心を移してしまっていました。

あるとき、母が近所の年長の子供とバトミントンをしました。傍で幼い私はいつものように
ボーっとそのやり取りを見ていました。シャトルコックの応酬がだんだん早くなり
母がスマッシュを決めました。と、同時に、私は、一緒に飛んで?横の溝に落ちました。
ひざの擦り傷の痛さで我に返りましたが・・・完全にシャトルコックになりきっていました。

雑念も無く、ひたすら空の気持ちになれた時間をちょっと懐かしむ今日この頃です。

桜の移植(植え込み・自動潅水工事)


2013年4月17日

翌日植え込み作業を行いました。まずは、乾燥を防ぐための幹巻きです。

包帯を巻くようにジュート素材のテープを巻きます。直射日光や、寒さからも幹を守ってくれます。
前日位置を決めていた植え穴は、根鉢より一回り大きく掘って、土壌改良材を入れて
土と混ぜ合わせて います。隣の大きなカシの木の太い根が侵入していました。
太い根もざっくり切れる道具で切って撤去していきます。

植え穴に樹木の向きなどを考えながらを納めます。
根鉢が回転しやすいように、底の土は少し盛り上げています。
このときに根鉢が大きすぎると、扱いにくくなり、根鉢が壊れる要因ともなります。
必要最小限度の土を残して根回しするのも技術です。

植え穴には土壌改良材(有機質)を入れてよく混ぜました。
支柱を立てて、樹木を固定します。支柱の形にはいろいろあります。
街中で一番見かけるのはこの二脚鳥居支柱ですが、他にも、一本支柱や、
八つ掛け(3本の組み合わせで高い木に使用)などもあります。

木を痛めないように、支柱に固定するとき樹木には杉皮を巻いてシュロ縄で結束します

支柱は、根の先端から発生してくる細かな根が、風などで木がゆれて切れないように
するためです。
最後は、根元に水鉢(水の溜まる場所)を作って、水を流し込みながら棒で土と根鉢の間を
つっ突きます。
これは、「水極め(みずぎめ)」と言う方法で、細かい根と周囲の土との間に隙間が
なくなるようにするためです。
隙間があると、根は水を吸えずに枯れてしまいます。泥水が新しい土との繋ぎ役です。

植え付け作業が終わりますが。根づくまでに大事なことはやはり水やりです。
特に移植の適期でない場合はなおさらです。
ここで強い味方の自動潅水の登場です!

桜の根元には、潅水ホースを這わせてあります。ホース自身の水の出る量は一定ですが、
水の要求量が多いものには、ホースを二重にまいたり、また少しでも土に水が行き渡るように
蛇行させたり
私たちは造園屋ならではの潅水工事を行います。
水やり作業の時間の空いた分、より一層丁寧に木の様子を見ながら草抜きなどの
管理をしていただくことになります。

生きながらえた桜の木が、たくさんの人に愛でられていくことのきっかけに関われて、
やりがいのある仕事でした。

桜の移植(掘り取り作業)


花冷えということばがありますが、ここ数日本当に肌寒い日が続いていました。
そんなおり、堺の臨海部で、K建設が工事をしているS社の広いグラウンドから
ソメイヨシノ(4-5m前後)を5本、大阪市内の平林にある公民館に移植する作業をさせていただきました。

その現場でお仕事をされていたD社が仲立ちされ、以前にも植栽に関わらせていただいた地区連合会様から
私たちにご依頼がありました。
本来なら、桜は伐採撤去で寿命を終えるところでしたが、いろんな方の計らいで譲渡が決まりました。
ただ、開花後で新芽も出始めているこの時期は移植の適期ではなく、事前にD社担当
のAさんと、ベテランスタッフと現場の様子を見に行きました。
グラウンドであった現場は、大掛かりな工事で更地化が進み、惜しまれるように、桜の木々が
残されていました。
何とか移植できそうな大きさものを5本選抜しました。

荒れ模様の天気の作業当日、現場監督さんに立ち会って頂き作業がスタートです。重機で根の周りを掘ります。
次に、人力で、桜の根鉢のまわりの細かい根をできるだけ痛め無いように。発掘調査のように掘っていきます。
このときに、根鉢の大きさも慎重に縮めていきます。
掘り取り作業の前に通常は樹木の根元の雑草などをはぎ取るのですが、今回は土が
崩れやすかったのでわざと、残してあります。
この作業を丁寧に行うことで、後の根付き具合が変わります。細かい根が多い方が移植には良い状態です。
赤い部分が移植後の生命線になる大事な細根です。

次にその細かい大切な根を守り、根鉢が壊れないように、根巻を行います。


この一連の作業を『根回し』と言って、物事がうまくいくことの前処理を表す言葉として、
日常でも使われています。

次々に樹木が根回しされていきます。
植物にとって根回しと言うのは大きな手術を受けた状態です。特に、根は水分補給の生命線です。
植物は、葉からどんどん水分を出す(蒸散)ことと根から吸い上げることで、体内の必要な水分量を保ちます。
幹や枝はからも水分は出ていきます。
ところが、根から水分が補給できないのに、どんどん体から水が出ていく状態は生存に関わります。
それで普通樹木を植えたり、植え替えたりするときは、すぐに剪定して枝葉を大いに減らして木の負担を減らします。
しかし桜は昔から「桜切るバカ・・・」と言われるほど、あまり「切らない」方が良い樹木です。
そのため、葉を一枚ずつ手で取っていく作業を行いました。Aさんまで手伝って下さいました。

作業後、2t車に積み込みました。激しい嵐のような天気で、気温も急に下がりました。
暑いよりは、桜には良かったです。

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