鏡の国のアリス


2013年4月10日

先日、嵐の日に遠方から来た友人と京都府立植物園を訪れました。
この植物園は私の好きな植物園の一つで、これまでも何度も訪れています。
普段仕事上で植物を扱っていますが、私たちの扱う植物は、生産農家が、
栽培したり、在来種など入手しやすいものがほとんどです。
画像や図鑑でしか見ることの無い植物を扱うことはほとんど無く、そんな
植物に出会うには、このような所が最適です。

京都府立植物園

今回は、友人のおかげで職員の方と話す機会も持てました。
温室内の植物についての説明とともに、植物園ならではのご苦労話も
伺いました。希少種や貴重種の管理と、景観も含めたデザイン性との兼ね合い。
植物園同士のネットワークで種の保存を維持していること。
一生懸命すればするほど、植物は増え、成長し作業量が増えていくこと。
予算との兼ね合いなどなど。

ただ管理作業の部分では、私たちの仕事とも大いに共通します。
とどのつまりは、どんな植物でも、手をかけてやることが必要だ
ということですが。
管理作業を『鏡の国のアリス』に登場する赤の女王の、
「同じ場所にとどまるためには、絶えず全力で走っていなければならない」
と言う言葉で引用したら、そうです!と共感していただきました。

外は嵐の後で肌寒い日でしたが、温室の中は温かく、歩き回ると、子供のころ
図鑑や本で知った異国の珍しい植物にワクワクした、当時の気持ちを
思い出しました。
ヒスイカズラ 

オペラ座の怪人のマスク?

アリストロキアと言う植物です。

根っこの話


2013年4月3日

今日は個人邸の5mのエノキの伐採抜根作業でした。
エノキ(榎)は、日本の古典文学にも良く出てくる昔からある樹木です。
葉は左右非対称の形で、オオムラサキの幼虫の食草です。
夕方、幹や枝葉や根を2t車いっぱい積んで、しかも作業は明日への
持ち越しで戻りました。

一般には樹木の大きさは、地上部の印象で意識されがちですが、
実は地上部に匹敵するか時にはそれ以上の量の根っこの部分が地面の下に
存在します。エコ・ワークスには、樹木の根の図鑑があります。
その分厚い本には、いろんな樹木の根っこの様子が図示されています。
下の画像は「エノキ」のページです。


もちろんすべての樹木が図鑑通りの根ではありません。というのも
地下の土の状態で大きく変わります。
例えば土が硬ければ根は深く入り込めず、横に広がります。
また日当たりや水の状態で成長も偏ります
今回のエノキは、地上の幹の直径より、太い根が地下にありました。
地上部の幹

根の部分です。

たった一粒の種から始まったその生命力は、掘り出されてもなお、
周囲を圧倒する勢いでした。

世の中は、優雅な桜の花でいっぱいです。でも、それぞれの樹木の
地下の部分はみな美しさと言うよりは、ちょっと荒々しい?根っこが
支えているのです。

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