春なぁのぉにぃ~♪


2012年3月30日

と言う言葉の続きに『コスモスみたい♪』が出てくる世代は日本の人口の
何%を占めるのでしょうか?
私などは、高度成長期に育ったせいか、マインドコントロールのように、
昔のCMソングが口から出ます。

『春』になって、世間がようやく植物に目を向け始めるこの時期は
逆に私たちのように仕事で植物を扱う人間は舞台裏に引っ込み傾向です。
特に、この1ヶ月あまりは、根や芽が動く前の移植時期でしたので、バタバタと
過ごしてしまいました。今は少し内省期間です。
この1ヶ月の現場であった個人邸のリフォームや、潅水工事。
福祉会館の花壇やロックガーデンの造成や、オシャレな賃貸アパートの造園工事など。
どれも、思いの詰まったお仕事ばかりでした。
みな手を離れ、後は、植えられた植物が、すくすくと育っていくことを
心から願っています。
こんなときに、自動灌水を設置しているところはある意味、安心です。
ただ、設置していないところは、植物が根付くまでの施主さんの取り扱いに
少々やきもきします。特に春の始めは気温差が激しく、強風が吹いたり、
乾燥しやすいのです。
根の浅いサツキなどはつぼみがついていても、3月ごろの水切れで
後で花が咲かないこともあります。
花を咲かせるエネルギーには、水がとても大事なのです。
樹木にしても、新しい細かい根が出て、新しい環境の土壌に
入り込んでいくためにも、水が必要です。
もちろん植え込むときに、根が速やかに新しい土になじむために、
できる限り根鉢の表面の土と周囲の土が密着するように、
『水極め(ぎめ)』と呼ばれる、手順を踏みますが。

本来、植物の水やりにはポイントがあって『水遣り・・・年』という造園修行の
言葉にあるほど重要です。でも私たちがこれまで経験してきた結果では、やはり、
『とにかくまず水やり』という根気と時間に自信の無い方は自動灌水で省力化を
はかることがお勧めなのですが・・・
どうしても手前味噌になってしまうのが残念です。



自動潅水ならではの多数のハンギングバスケット
この時期からほぼ毎日少量の水で維持します

植木の文化


2012年3月26日

先日K専務と、近々作業する個人庭のための樹木を選びに、
卸元に行きました。Mさんは、車で1時間ほどの距離にある
大きな樹木販売園です。工事の内容によって、いろんなところから樹木を
仕入れるのですが、Mさんには、個性あふれた木々が多く、
個人庭に使用する樹木を選ぶときに伺うところです。
私の好きな場所でもあります。

流れる川を見下ろす山の斜面を利用した場所に、仕立てた木々が
植えられているのですが、巨大なものも、苗木のものも、みな瑞々しく育っています。
本来、このような卸元は、樹木にとって、生産農家から消費者のもとへ
売られていくまでの仮の宿です。どちらとかというと『陳列』された感じ
の場所が多いのですが、ここは出番を待つ間に根付いて相当大きくなった木も
ここかしこにあって自然風な『樹木園』のような感じです。
雨上がりには頂上の霧が下りてきて、ちょっと墨絵風の景色に見えます。
この間は、鶯の声が聞こえていました。
仕立てたものでない場合、山の木々を分け入るような感じで圃場に入って、
植える場所をイメージしながら(ピピッ)とくる木を探します。
ここに来るようになってから、(良いなあ)と思う、いわゆる値打ちの
ある木がだんだん見分けられるようになってきました。
先日はクロガネモチの主幹を切って、株から生え出た枝を仕立てた
木(クロガネの台モチと呼ばれます)に出合いました。
年月を感じさせるのに、コンパクトで人の高さほどです。
それなのにとても存在感があります。抑えた感じの美しさです。
大きな株立ちの樹木以上のお値段でした。根鉢は相当大きいです。
本命のヤブツバキと、他に数種の木をゲットできました。
帰り際にお会いした社長さんに、「どうや、景気は?」と言われ、最近の
時勢で少々重い空気になりました。が、「シイタケいるか?」と言われ、
山道の向こうの林の中に、ダイナミックにたてかけてある原木林で
シイタケ採りをさせて頂きました。

樹木に手を加えることで、元は自然の素材なのに、付加価値がつくものに
仕上げていく技術というのはとてもすばらしい文化だと思います。
最近街中では、どこもかしこも○○の木ばかりが目につくのが現状ですが。
(ここにあるようなさまざまな樹木にもっと出番があればなあ)と
思わずため息が出ました。

年年歳歳花相似


2012年3月11日

3月11日です。
昨年は、どんよりとした、少し小雨の金曜日でした。
今日は朝方は晴れましたが、徐々に同じような天気になってきました。
あれから、1年。
梅は咲き、またサクラのつぼみが膨らみ始めました。
私も含めて、たくさんの人が、いろんな場面でこれまでと違う
思いをもたれたことと思います。
年年歳歳花あい似たり 花は毎年変わらず咲くけれど
歳歳年年人同じからず それを愛でる人は同じではない
春の花を楽しめることに感謝です。

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