ゴールデンウィーク


2010年5月3日

どこへ行っても人込みのようです。
高速道路の渋滞情報をながめて、遠出する人は
大変だなあと最初から他人事です。
それなのに、昨日は思い切って、夕方美術館に行きました。
その時間帯なら混雑を避けられると思ったからです。
予想していた閉館時間が延長されていたので、
意外に人は多く、それでもたぶん日中よりは、
大勢の人の頭越しではなく絵をみることができました。
長谷川等伯展です。没後(享年72歳)400年特別展覧会です。
そんな昔に描かれた絵なのに、作者の渾身のエネルギーが
見るものに迫ってきます。
若い時代の細密な絵も驚きでしたが、
年代が上がるごとに、シンプルになって、最後は色まで
も、墨という白と黒の濃淡だけになっていきます。
加えて、描かれた「もの」ばかりではなくて、
霧とか、風とか、見えないものまで伝わってくるのです。
つい植物に目がいきます。
カイドウサクラや、ヤブカンゾウなどはとても写実的でした。
ススキや、ハギ、松、柳、梅など、樹形や葉はとても
デフォルメされているのに、実物以上?に「そのもの」の
雰囲気が伝わります。
その後、これもまた、終了時刻延長の清水寺に行きました。
美術館から歩いて行ったので、有名な坂道ではなく、
大谷本廟という巨大な墓地(親鸞上人のお墓がある)群の
間の道を登って行きました。都会の公園墓地ではなく
山あいの広大な面積に、墓石が詰まって累々と並ぶ景色は
無機質というか、古いものなのに、宇宙基地みたいな
不思議な光景でした。道筋の墓石の背中に刻まれた元号に
「文久」が比較的目につきました。幕末混乱期に建立されたようです。
さすがに、人気はありませんでしたが、人恋しくなって、
清水寺についたときはホッとしました。
後数10分で終了というのに、次々と人が上がってきました。
夕日を背景にシルエットで味わった京都でした。


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