春は名のみの風の寒さや・・・ 2008.2.12


2008年2月12日

ポカポカ陽気の休み明けは想定外の雨でした。
K専務と、S部長は大切な用事で、市内へ出かけました。
どんなに立場が違っても紳士的な扱いを受けると、
仕事にも張り合いが出ます。
もちろん時には逆の場合もありますが。
思わぬ雪の週末に私は友人のIさんに元気をもらいました。
彼女と知り合ったのは随分昔の、造園のデザインの研修中でした。
当時彼女は住宅関連会社に勤めていました。インテリアにエクステリアと
お客様の要望に答えるうちに、造園の勉強も始めたというわけでした。
センスの良さやプレゼンのうまさは群を抜いていて、
年齢が近いせいもあって親しくなれました。
その後、your partnerという埋もれた逸材を世に出す
コーディネーターの仕事を立ち上げました。
「そんなカッコ良いものじゃないよ。何でも屋だから」と謙遜しますが、
なかなかどうして。彼女の本物へのこだわりは半端ではありません。
しかも主婦業をパーフェクトにこなしながらというところがすごいのです。
すべて人との出会いがスタートです。
現在本格的技術や素材にこだわり、暮らす人の気持ちを
掘り下げて考える、ある意味、効率優先とは真逆の
工務店のお手伝いをしています。半端じゃないと言ったのは、
その手伝いが営業や設計デザインばかりではなく
ときに、竹を裂いて壁に編みこむ作業を含めた大工の手元の
仕事にまで及ぶからです。
そんな毎日の中で、すばらしい木材の切れ端を捨てるのが惜しいと
次に彼女が始めたことが木工です。高野山の師匠の下に通って、
危険な刃物を身体全体で抱え込みながら
くりぬき、廃材で次々に素敵な作品を仕上げます。
それを施主さんに「・・・に使った材でできています」とお渡しするのだそうです。
実は、先日久々に会って、私もその貴重な作品を頂きました。
元は森の中に横たわる古木の楓の倒木を、製材したもので、
先の大工さんがテーブルに仕上げられました。
釘一つ使わず、ジョイントも黒檀です。

森の中で朽ちるだけの木に、
見事に命が吹き込まれました。表面にはシルクのような
白い光沢と玉杢(タマモク)という楓独特の模様が浮き出ています。

その端材で大小二つの丸い鉢を作ってくれたのです。
何か多肉のようなものを入れてみてと言われてできたのが写真のものです。
中に容器を入れています。

ぬくもりのある木肌を触ると、やはり人間も捨てたものではないなあと
つくづく思います。
そして人との出会いやつながりの縁の不思議をしみじみと思います.


ページトップへ