治山治水


2011年9月5日

のろのろ台風のつけた爪跡は意外に大きいものでした。
私の住んでいるところから、車で移動すると、数時間あまりの距離に
局地的に降った雨の被害の大きさは、想像を越えました。
数年前に、熊野古道を散策したときに、緑の壁と清流とに
挟まれた、趣のある民家の景色は、今でも目にやきついています。
あのときの空気の香りや静けさまでもすぐに思い出せます。
あの清流が濁流になり、道路が寸断されているのかと思うと、
映像を見ても信じがたい気持ちです。
日本は昔から天災の多い国でした。そのせいで、治山治水の技術も
発達してきました。私が以前ぴんとこなかった「土の挙動」にしても
地盤工学に出てくるいろんな難しい数式も、地すべりや堤防の決壊や、
防災のための重要な数値だったのだと思います。
自然は人間の想像を超える災害をもたらしますが、また人間も
きっとそれを迎え撃つ叡智を蓄える(特に私たち日本人は)と
信じたいです。今は被災された方々が一日も早く通常の
生活に戻られることを心から願っています。


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