潅水工事の醍醐味は?


2007年12月2日


S部長は潅水作業大好き人間であります。
植物に関わる作業の時と、潅水の作業のときとでは
目の輝きが異なります。
加えて(株)ランド・ケアの代表者でもあります。
好きなことは、少々の疲労感は飛ばしてしまいます。
毎朝北大阪から2時間近くの遠距離通勤を押してなお
がんばれるのも、ときにやりがいのある仕事に関わることが
あるからでしょう。以下そのS部長のレポートです。
S部長のレポートから・・・
農業と言えば、後継者不足。大変きつい労働。自然に左右されて
工業製品のような安定した収入を得るのは難しいと言うイメージがあります。
ところが、先日工事に行ってきた兵庫県竜野社インターに近い
15000坪の農場の一角に建設された、マンゴー用温室は、これまでの
農業のイメージを覆すものでした。
省力化を徹底的にはかり、最先端技術でマンゴーの最適環境をすべて
全自動で管理するというものです。
コンピューター管理で、風や温度に反応し、窓も自動開閉です。
直径1mもある,円形型のマンゴーの苗床ポットが
1列20個×9列も並ぶ様子は圧巻です。


温室内の180個のマンゴーポット

水はポンプでくみ上げたものを使います。
それを24時間対応型タイマーで適時(1日数回にわたり)
必要な量の潅水を全自動で行うための工事です。


24時間対応型タイマー

果樹は一般的に、水をやりすぎると、その果実の甘みは薄く、おいしくありません。
マンゴーも同じです。ただ水をあまり抑えると、甘みは増しても収穫前に落果します。
このあたりの微妙な水加減に対応できるように、
横に敷設したポリエチレン製の給水パイプに接続した、5.5mmの細い
チューブの先に、水の量が自動的に一定になるようなドリッパーを、
各苗床ポットに、4セットずつ差し込んでいきます。
このチューブとドリッパーのセットは全部で700以上もあり、これを接続していくのは
結構根気のいる作業でした。


ドリッパーが4セット入った状態

でも、このチビリチビリと染み出す水と、快適な環境の中で、温室内が
マンゴーの林になっていく様を想像するのはちょっとワクワクしました。
いずれ、夕日のように赤々とした美味しそうなマンゴーの実が
ここから高級果実として出荷されるであろうと思うと、指のマメの痛さも吹き飛びます。
植物は水が無いと育ちません。また水やりは生産者にとって大変な重労働です。
それを省力化して大量栽培にも対応しつつ、
最後の水加減はやはり人間の知恵と工夫で行う自動潅水システムは
まだまだ奥が深そうです。


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