昔取った杵柄


2015年1月10日

表題の意味は、若いころに上手に餅をついていた腕前は歳を取っても
身体が覚えていて衰えないことという意味だそうです。ちなみに杵柄は餅を
つくための杵の棒状の握る部分を示します。
簡単に言えば昔やっていたことが後日役に立つということでしょうか。

私たちの仕事は重いものを持ったり、長尺の道具を扱うことがよくあります。
腕力というか単に力を入れるだけで作業するとすぐに疲れます。女性の私には
コツがあります。それは、物を引っ張ったり、持ち上げたりするときに、
身体の中の腰あたりを支点に使うのです。私は、おヘソで引っ張る気持ちでやって
います。そうすると、それほど力は要りません。

剣道を少しかじっていた私は、つるはしを振り上げるときも無意識に
竹刀を振る要領を使っています。柄の先端は左手で握り、
身体の中心から弧を描いて振り下ろしています。その方がやりやすいのです。
もちろん、疲れない訳ではありませんが、比較的持ちます。

黒帯だった合気道の動きはもっと役に立ちます。
合気道には杖術と呼ばれる、杖をもって立ち回る動きがあるのですが、
トンボがけや、レーキで石をかき集める作業の動きに応用できます。
棒の部分を体に引きつけて、弧を描きながら、左右入れ替えたり、前後に動かしたり。
なめらかに、無駄な力を使わずに、動かせます。

元々運動神経が鈍く、球技に向いていなくて武道をしていたのですが。
昔取った杵柄は今の作業動作に大いに役立っています。
余談ですが・・・新婚時代、同じ合気道の有段者であった夫との夫婦喧嘩が技の掛け合い
だったことを考えれば、歳を取って使う杵柄は若い頃より広い範囲で役に立っています。


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