植物でイメージアップ


2015年1月29日

随分前に、ある学校の植栽(というより伐採)の工事見積りに伺いました。
大きな建物の工事をするために、既存の古い木を伐採できないかと。
お伺いした学校に行ってびっくりしました。
それは、いろんな植栽の緑地がほとんどすべてジャングルのように。
伸び放題、絡まり放題の『藪』と化していたからです。

秩序も無く、ただ植物が荒れ狂っている?ように見えたのですが・・・
通っている生徒たちにとってはそれはごく普通の日常の光景だったようです。
本来枝葉のゆれで風を感じたり、適度に視界も見通せる透かした樹木ではなく、
枝葉が幾重に重なり合って、樹木同士が一つの塊のような状況に
すっかり気持ちが暗くなりました。低木にまきついたツル性の雑草に、
同じ緑でも『人を寄せ付けない』雰囲気を感じて(毎日この景色を心に
焼き付けるのか)とちょっとショックを受けました。
時間や労力に限りがあればやはり優先させるべきは植物より人間です。
(当然ながらいたしかたない結果はこの景色なのだ・・・・)
そう思って歩いていくと、通用門のスロープにいくつか花の植えられた
よくある白いプラスチックのプランターが置いてありました。
手入れされてこんもりと花が咲いているのを見て気持ちがホッとしました。
それはは学校に隣接するお店の方がわざわざ学校側に置いておられるようでした。

確かに植物は『嗜好品』ですが。きれいな景色を見て気分が悪くなる人は
きっと少数派だと思います。

今年は、花壇や植栽を『風景の一部』と捉えて、きれいな景色作りを
目指します。

あなたの『きれい』と私の『きれい』


2015年1月21日

ほぼ1年前に、思い立って東京にコンテナガーデニングの勉強に行きました。
冬から始まって春で終わった研修はとても良い経験でした。
造園業界や園芸業界というくくりを越えて、景観づくりの分野の一線で活躍されている
さまざまな講師の先生のお話を伺いました。心に残っているのが、表題の言葉です。
正確には「あなたの『きれい』と私の『きれい』は違う」と続きます。
これは本当に言い得て妙です。私たちの仕事は、一番はお客様の気に入っていただくことに
重きを置くのですが。どんなものが気に入っていただけるのか。
最初にいろいろお客様の頭の中にあるイメージを言葉にしてやり取りしますが、
結構難しいことがあります。

これが長いお付き合いになってその方の人となりや、好みなどが分かり始めると、
こちらも提案しやすくなるのですが。なかなか初対面の場合はそうもいかず、
正確に伝わらない場合には思いのほか苦戦します。
時に、全く最初と最後では違った場合もあり、それを見抜けない自分の非力を
嘆くこともあります。それでも何とか、全ての経験を活かしていきたいところです。

その先生のもう一つの言葉も興味深かったです。
それは「お庭はあなたの『作品』ではない」です。この業界には職人気質の方が多く、
自分の仕事に誇りを持つあまり何事も「こうでないといけない」と押し付ける方も
少なからずおられます。確かにお客様より専門知識を豊富にもっているのは事実ですが。
日々暮らす方が毎日見るお庭に、自分の思いが活かされずに、他人の思いに
納得しなければならないのはとても残念なことです。

そういうことも含めて如何にしてお客様の意を汲むのかということが今年も私たちの
課題です。
今日は久々にメンバーでいろいろ反省も含め、議論しました。
私が常日頃感じている『植物力』を何とか、お客様にも感じていただけるような仕事を
スタッフ一同でしていきたいです。

植え込んで1ヶ月あまりの駅前花壇です。ほとんど手を入れていませんが、
冬場ということもあり、雑草にも負けずに順調です。大寒も過ぎ、梅が咲き始めたら、
このお正月の色合いがちょっとうるさくなることでしょう。

予報どおりの雨


2015年1月15日

昨日「明日は降水確率が70%以上なので、作業は中止です」とランドケアのS社長に言われました。
大道筋のカンナを刈り込むという作業でした。新しいスタッフのUさんと、S社長の二人が、昨日
前倒し作業を行い、雨で中止の分をしっかり稼いで?きました。
そのため今日は余裕のデスクワークです。
こういう雨の日は有難いです。仕事で忙しいのは良いことですが、こんな風に少し時間に余裕の
あるのも良いことです。昨日の大道筋の様子を聞きました。水やり作業などが夏ほど無いので
現場に行く機会が少なくなったからです。気になるのはチューリップとナノハナの花壇です。
100㎡ほどの花壇が二箇所あってそれぞれに植えられているのですが。どちらも苗ではなく
種と球根から育てているのです。

ここ数年、寒咲きハナナという、冬に咲く菜の花の種を蒔いていたのですが、今ひとつ生育が
思わしくなく。今年度は、別の種類のナノハナと混ぜて種を蒔きました。別種は『寒咲き』
ではないのでまだ花芽が上がっていませんが、しっかり下葉が育っているようです。
気温が上がれば花の咲き具合は期待できそうです。
寒さが緩む頃、ナノハナの黄色い群落が、道路の中に現れる予定です。

チューリップはほんの少し芽が出た状態だったようです。
8年ほど前、チューリップの球根を植え込んだときに、道路の真ん中の花壇なのに足型が点々と
ついていました。しかもよりにもよってわずかに出た芽を踏まれていました。
苗や球根の植え方には、格子状に植える『格子』と、『千鳥』と言って一列ずつずらして植える
場合があります。チューリップは『千鳥』に植えていました。斜め方向に横切った足跡を見ながら
プロファイリング?した私たちは、文字通りの千鳥足の酔っ払いの犯人像を描きました。
実際はどうだったのか???ですが・・・以来、そんな足型は見なくなりましたが。
低温にさらされないと花が咲かないチューリップにとって、この季節の寒さは値打ちです。
しっかり花芽を作って欲しいところです。

松の内が明けて戻ってきた門松のハボタンがあまりに、活き活きとしていたので、
A子さんが花壇に植えてくれていました。まだまだ冬が続きそうですが、

ふと見たらボケのつぼみがチラホラ咲き始めています。ゆっくり春に向かいたいです。

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