春の嵐


2013年3月18日

今日はまさに春の嵐でした。
冬の寒さとその寒さの記憶さえ、あっという間に吹き飛ばしてしまうような気温でした。
とはいうものの、気温が安定しないこの時期。この生暖かい風に、つい油断すると
生産地の温室から出荷された苗が霜でいっぺんにやられてしまうこともあります。

植物ほど適応力がある生き物は無いとは思うのですが、さすがに急激な変化には
耐えきれません。
先日ある方と、植物へのストレスにどんなものがあるのか、という話題になりました。
一番大きなストレスはやはり、水ストレスだと思います。
水が切れると、生育に大きな影響を与えます。
水切れで息も絶え絶えの植物に水を与えて復活するか、間に合わないかの
臨界点のようなものがあります。水の要求量は植物の種類によっても異なります。
いわゆる乾燥に強い弱いが生じます。
大体の植物は水が切れ始めると、葉がしおれ、葉色にも変化が現れます。
しばらくすると生育を止めて、子孫を残すために早く花をつけようとします。

他のストレスとしては、温度や紫外線の影響も大きいです。
紫外線については、少ない光に慣れ育ったものを急に日光にさらすと
葉がやけどをしたようになります。植物の「アチチ」という悲鳴が聞こえそうです。
温度も同様です。少しずつ慣らしていかないと、あっという間に弱ります。
市場などで仕入れたものは、大抵その前に生産農家のフレーム温室の中で育っています。
そのため、温度や紫外線の量は、屋外とは異なります。
植物の種類によっては、すぐに環境の変化についていけずに痛んでしまうこともあります。
他にも、肥料や微量元素の欠乏、病害虫、pHなどのストレスがあります。
葉の色、新芽の状態、生育量などなど。さまざまな障害が出てきます。
あまりはっきりしたことはわかりませんが、振動や風など物理的なこと。
また大気の状態なども影響していくことと思います。

物言わぬ植物にとって、全身で訴えるメッセージを聞き取っていくことが、
私たちの大事な仕事です。
それでも、少々の悪環境や、また人工的な環境で季節を前倒しで育てられても、
植物たちはしっかり適応し、爛漫の景色を作ってくれそうです。


ページトップへ