花どころでない・・・


2015年8月17日

人は世間にはたくさんおられます。大体、花を愛でる時間というのは、
よほど、時間や気持ちに余裕がないと生まれにくいものです。
加えて、花を愛でるより楽しいことが、世間には満ち溢れています。
それでも、植物が好きな人、もしくは植物に向き合わなければいけない人たちを
相手に私たちは仕事をしています。
この夏は夜温も高く、しかも雨が降らずで、花と雑草の勢いに随分差が出ました。
本当にいたるところで雑草が目立ち、花の姿が少なかったようです。私たちの作業も
夏の間は、花より、潅水、除草、芝刈り、剪定、潅水工事と熱い(暑い)日が続きました。

ところが、私自身が「花どころでない」状態になってしまいました。
初夏の頃から何となく、疲れが取れず、片方の膝や手指が痛かったのです。
筋肉痛は日常茶飯事だったのでつい、出遅れてようやく病院に行きました。
結果は4年間鳴りを潜めていた、持病の再発でした。油断していました。
8年前に初めて発病したときは早期発見早期治療でした。自覚症状も
ほとんど無いまま、指示通りの薬を飲み、血液検査の数値と状況に合わせて
治療し、「何かあれば来なさい」と通院すら放免されていました。

その後、「本当にその病気だったんですか?」と言われるほど、数値も低く・・・
それが突然の豹変です。久々の主治医の先生曰く
「多分あなたは完治に近かったのだけど昨年の手術で状況が変わった。」と。
人間の体は絶妙というか微妙なバランスの上に成り立っているようです。
お蔭で一気に不自由な生活になってしまいました。
そもそも早期発見できたのは、亡くなった父がこの病気で苦しむ姿を
子どもの頃から見てきたからですが、(行く末は・・・)とちょっと消沈でした。

しかし、医学の進歩というのはすごいです。
自身の経験から、「自分が『病気になったことの意味』を考えてはいかが?」という
友人の深いアドバイスを胸に、以前同様、明るい闘病生活?を送るつもりです。

ほんの少しの秋の気配を感じながら、季節と一緒に進みたい今日この頃です。

 

 

盆栽工事のつづき


2015年8月11日

先日の工事は、無事に終了しました。本当に悲壮な思いで水遣りをしておられた
施主様もようやく安堵されました。S部長の報告です。
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二度目の設計で、潅水箇所は4エリアに分かれました4つの『電磁弁』と呼ばれる装置が
配置されます。

電磁弁のイメージ

これらの電磁弁がスイッチをオンにしたりオフにしたりして水を出したり、
止めたりします。水量(水道管の直径)が多(大き)ければ電磁弁1つで全体を
撒くことも可能な場合もあります。今回の水量(直径)では、4回に分けて水を
出さないとその面積に水を撒くことができませんでした。

そのため、1箇所の散水が済んだら、次の電磁弁のスイッチが入り、それが終われば
次のエリアの電磁弁が開くという形となります。

電磁弁を配線しています

電磁弁のスイッチを入れ、何時にどれくらい出すのか指示するのが
コントローラと呼ばれる装置です。この装置にはいろんな種類があります。
個人のお宅では電池式のものが多いです。
大型のものは、大きな商業施設や、集合住宅や、散水内容が複雑な場合。
簡易型と呼ばれる、水道蛇口に取り付けるものもあります。

 
今回の場合コントローラは2台です。1台のコントローラで済ませることは
大きなコントローラを設置すれば可能です。
『大は小を兼ねます』が、
コスト面では、もったいないところです。
今回、途中で鉢の数が増えました。最初の設計の水量がカバーできる、程よい
規模のコントローラを、当初1台ご提案していましたが、
その後の追加分は
別に1台コントローラが必要になりました。

コントローラ設置と配線

 

コントローラにはさまざまな種類があり、それぞれ利点が異なります。
私たちはお客様のご要望や現場の状況に応じて、適切なものをご提案しています。

配管を行い、各々の鉢に必要なドリッパー(黒いチューブ)を取り付けて
無事に完成しました。人の背より大きな鉢から、小さな鉢まで文字通り、
全自動で水をやることができます。

ポリパイプを配管し、黒いチューブをそこから出して、鉢に水を誘導します

    

水がオクタフローから出ている様子

工事終了後も、微調整や取り扱いなどで、お客様とのやり取りを行いました。
自動潅水のシステム自体は同じものでも、お客様の扱い方で、状況に応じた
きめ細やかな水遣りができます。
『全自動』と言っても道具として扱えば、まだまだ工夫の余地がありそうです。
これまでのさまざまな施工事例からいろんなことを経験させて頂いています。

体感温度は40℃以上?


2015年8月5日

今日は男性陣は、責任者のS部長を中心に、自動潅水の工事に出かけています。
現場は立派な盆栽(とても大きなものです!)が77鉢並ぶ箇所への施工です。
施主様が手塩にかけられた立派な鉢が累々とあるのですが、その水管理が大変でした。
これほどの気温の夏が続くと、植物への思いで、体を壊しかねません。
それぞれの鉢に水の出るドリッパーを2個~4個(合計155個!)つけていくことに
なりました。

設計段階で、S部長が頭を悩ませていたのが、エリア(系統)分けです。
水やりを自動化するためにはにまず「どれ(どの箇所)に水をやるのか」という
ことが決定されなければなりません。
その後に、水をやる範囲に必要な水量が、一つの水源(水道)からの水の量で
間に合うのか、二つ以上の水源(水道)からの水を使わないと、量が足りなくなる
のかということを計算していきます。
鉢の位置を図面に落とし込み、それぞれの鉢の水の消費量を出し、それらの
水量の合計を、その水道の水圧で撒くことができる範囲の水量に納まるように、
エリア(系統)分けします。この部分を適当にすると、自動潅水にもかかわらず
水が行き渡らず、枯れる場合もあります。そんな施工のせいで、自動潅水に
根強い不信感?を持たれたお客様も過去におられましたが。
もちろん私たちはそんなことはしません!
 
系統を分けるときには、無駄な配管が無いように、水道との位置関係も考慮します。
一つの系統の潅水範囲はできるだけ水量に余裕を持たせます。ぎりぎりの水量だと、
何かで水圧が落ちたりすると、想定していた水が行き渡らなくなるからです。
それでも系統を分けることはコントローラの数が増えると言うコストに跳ね返るので、
必要最少限度の系統分けが要求されます。

 設計段階のS部長の数字に向かう真剣さは普段の雰囲気とは違います。加えて、
これもよくあることなのですが・・・・
設計後、鉢が移動してしまうのです。お客様はお客様の視点で鉢の位置を決めて
おられるからです。間に合うはずの水量が足りなくなるので計算のやり直しです。
そのため、お客様には水量の観点で鉢の位置の決定を理解していただきます。

昨日から始まった工事は早く楽になりたいという施主様の思いを背中に、高温下で
粛々と進められています。
一人当たり5リットルの水分を取りながら、無事に戻ってきた顔に安堵しています。
工事もいよいよ明日で区切りがつくようです。

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