暑さ寒さも彼岸まで


2016年9月16日

のはずですが、お彼岸が近づいてもなかなかの残暑です。
今日の作業は、剪定組と、自動潅水工事組です。
本当は、そこに灌水組も加わる予定でしたが、ここしばらくの秋雨に
近々台風の影響も出そうなので、中止になりました。

剪定組は、10年ほど前にも一度お伺いしたことがあるお宅です。
昨日から2t車で1.5台ほどの剪定ゴミを排出しています。今日の1台と
合わせると、元のお庭が相当すっきりした状態になるものと思われます。
例えて言うなら、鎮守の森の中に住んでいたような感じが、冬?の雑木林
の陽だまりの中のような・・・・要するに、大きくなりすぎた常緑樹を、
伐採もしくは、強剪定すると葉が落ちた後の落葉樹のようなスケスケ感が
出るのです。今年の酷暑の、夏の日差しを遮っていた深い緑よりも、
これから日照時間が減っていけば、お庭に日が入った方が気持ち良いです。

自動潅水工事組は少々遠方の町の工事です。全体の完成は秋ですが、
灌水工事はいろんな工事の方と日程の調整しながら進めることになりますが、
今日が初日です。この夏のような、猛烈な気温と乾燥には、自動潅水は
省力化に大いに役立ちます。もちろん、人間が土の状況を見ながら水を
やっていくのが理想ですが。いろいろな条件で自動化の必要性が生まれます。
この夏、公園の広い花壇管理で、『土が乾いてから』通常量の水をやっていては、
日中の蒸発量に追いつかず、湿った状態に追加の水をやって、少し間を空けた
方が効果的でした。人がやっても装置がやっても、最終ゴールは、植物が健全に
育つことです。人間にも植物にも厳しかったこの夏もそろそろ変わり目です。

入荷苗を見ると季節は確実に秋になっています。

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目に見えないけど怖~い話


2016年7月19日

K専務が主体となって、大阪市内の幼稚園の植栽工事が始まりました。
素敵な新築の幼稚園の園庭に、これも自然な風合いの植栽が設計されて
います。こだわりの設計の中で、K専務がイメージに合ったシンボルツリーを
見つけてきました。いろんな樹木の仕入れ方がありますが、個性豊かな木が
欲しいときにとても頼りになるM社さんの樹木です。鉢を合わせて6m近い
大きな木でしかも、面白く曲がっています。根鉢の重量も相当です。

都心部でも古い地区は、意外に道路の道幅も狭く、自転車や歩行には便利
ですが、大きな車を入れるのは少し厄介です。車で作業地まで運べない場合
は、ぎりぎりまでの場所に、外側から吊り下げて入れたり、大きさによりますが、
人力でひっぱっていきます。今回は、外側の道路幅に合わせた大きさの車を
使って、吊り下げて入れることになりました。
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よく、『大は小を兼ねる』と言う言葉を使いますが、こと搬入車両に関しては、
『大』が全く役に立たないことがあります。現場の搬入経路は、事前の調査で
確認しないと危険です。図面や地図でもある程度はわかりますが、やはり
現場を実際に確かめないと分からないことはよくあります。
資材の手配のときに、どの大きさの車までが搬入可能かを伝えます。

逆に、目で確かめても分からないこともあります。地面の下には、電線や水道管他、
いろんな管や、以前の建築物の名残(基礎)があり、地表面からは見えません。
この業界で『引っ掛ける』と言うのですが、管や電線を切ってしまうことがあるのです。
引っ掛けた後の処理は厄介なので、何かありそうな所を掘るのは『怖い』です。
大きな木ほど鉢が大きく、植え穴も深く広く取るため、重機で省力化したいところ
ですが、埋設物をひっかけるリスクが高くなります。
今回K専務は、重機ではなく、人力での穴掘り作業を選びました。
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案の定、出て来ました・・・

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植え穴がかすめた配管

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基礎が出てきたので、それを割りながら掘ります

工程がスムーズに流れました。設計上、とても丈夫な樹種が多いですが
後はこの季節ならではの水管理が決め手となります。

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植え付け後の剪定

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水極めの後、水鉢にたっぷり水を注いで

泥にまみれてよ~♪


2016年6月30日

なぜか頭に浮かんだ子供のころ聞いた、甲高い男声の歌。
三橋美智也さんのヒット曲『達者でな』の最初は泥にまみれるのではなく
『藁』でしたが・・・

この二日間、ドンピシャの天気予報通りに雨が降り、エコ・ワークスの面々は
各自ドロドロになりながらの作業でした。
とりわけ、4月以来ずっとプレッシャーだった作業の一つ『花菖蒲の株分け』
作業がようやく終了しました。担当の方は、超ベテランの方で、さまざまな
下準備や段取りを含めたご指導は、初心者の私たちには、心強かったです。
作業内容は、現在植えられた花菖蒲をいったん掘り上げ、一つ一つの株の
葉を切りそろえ、株をナタで割り、選別し、不要な部分を取り除く。
圃場は土壌改良し、良く耕した更地に、株分けした苗を規則正しく、品種ごとに
植える。という言葉では単純な作業です。が・・・・

満杯の状態の菖蒲園を、整理し直すということは、新しく植えるスペースづくりと
同時進行で、別の場所にある株の整理と、植え込みが速やかに行われなければ
なりません。珍しいと思われる品種は繁殖力も弱く、株分けしても余り残りません。
原種に近いものほど繁殖力が強く、大量に繁茂しています。
人間が贔屓しながら、殖え方を調整します。
葉を刈り取る作業と、ぬかるみ模様の圃場に植え込む作業はまるで、
稲刈りと、田植えが一挙に来た感じです。

細かな品種のどこのどれがどこに移動し・・・資材は何をどこにいかほど等。
頭と手と体をフル稼働にしなければなりません。幸か不幸か、人間にとっては
厳しい雨も、菖蒲にとっては、根の痛みを防ぐのに役立ちました。
ほぼ1t余りの残骸が菖蒲園から無くなり、スッキリとした感じです。
作業終了後、感想を聞かれ「これからいろんな菖蒲園でハナショウブが咲く景色を
見るたびに舞台裏のこと想像して、胸がチクリとします」と応えました。
そう言えば『菊作り菊見る人はよその人』という歌がありましたっけ。
まあどの仕事も、裏方作業というものはつきものですが。

この公園の菖蒲園は、面積はさほどありませんが、さまざまな品種が
区分けして植えられています。
車椅子とそのご家族の方を良くお見かけしたのも、きっと少しの散策で、
いろんな花景色が見られるからだと思います。大きな園も、小さな園も
日本には四季折々の花を楽しむ文化と、それが生み出す仕事があるのだと
つくづく思います。

今は植え込んだハナショウブが根付くことを願うばかりですが。

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