♪名前〜それは〜燃えるいのち・・・


2010年5月18日

人間に一人ずつ名前があるように、植物にもそれぞれ名前がついています。
見知らぬ草花も名前を覚えることで、ぐっと身近になります。
たいていの人が知る「サクラ」や「チューリップ」から、
あまり知られていない花の名前を覚えていくと
これまで、見向きもしなかった花が、急に
輝き始めます。それはちょっとした楽しみにもなります。
そんな面白さを最初に教えてくれたのは母でした。
随分昔、ちょうど今頃、我が家の庭先に、少し幅の広い葉に筋の入った、
茎に赤紫の小花がいくつもついた花が、群れて咲いていました。
ある日母が「この花の名前を知っている?」と聞きました。
私が「知らん」と答えると、母は「よく知っているね!」と言うのです。
キョトンとする私に、「この花は『シラン』というのよ」と言いました。
幼い私の頭では『シラン』を『紫蘭』に変換できませんでしたが、
そのなぞかけのようなやり取りと、
小さいながら凝ったつくり(まさに蘭です!)の花の名前を
すぐに覚えてしまいました。
当時シランが咲く季節になると、私は、近所のおばさんに
「この花の名前知っている?」を連発して、「知らん」と言わしめ、
最後は「ヘェーっ」と感心させることにはまって?いました。
ただごく稀ですが、「ワカラン」と答えられて、うろたえることもありましたが。
あれから半世紀近く、名前を覚える度に、自分の中の植物の世界が
広がるような、面白さを感じています。


ページトップへ