紅葉考
2015年11月2日
11月の雨は肌寒いです。予定の作業が流れました。
今月の花のハナミズキさんが紅葉について触れていましたが、
なぜ植物が紅葉するのかは諸説あっても解明されていないようです。
アントシアニンという物質のせいで赤く見えるということと、それが
低温で作られるということは間違いなさそうですが。
植物にとって何のためかというのははっきりしないようです。
紅葉するものも黄葉するものもみな落葉樹です。
夏場せっせと、緑色の葉で光を受けて栄養分を作っていましたが
気温が低下するにつれ、生産量が落ちていきます。
逆に、葉を維持するための水や養分の消費の方が大きくなってきます。
落葉は葉と樹木の間に、楔を打ち込むような離層と呼ばれる細胞が
作られることから始まります。気温がある一定の温度より下がると
その工程のスイッチが入ります。離層が形成されると、本体から
葉へのさまざまな補給が止まります。それでもすぐに落葉せず、
葉はしばらくの間、光合成を行い糖分を葉に貯めます。
その時期に葉の中で起こる化学変化の結果が紅葉です。
一体何のためなのでしょうか?
一説によると、赤い色が鮮やかなものほどアブラムシに敬遠される
のだそうです。アントシアニンを大量に作れることがアブラムシに対する
『威嚇』になるという考え方です。他にもあるようですが。
これまでの風情のある紅葉の景色が、頭の中で、モミジ人間の
赤味がかった筋肉比べの会場のイメージに変りそうですが・・・
植物が無駄なことをしないことにはいつも驚かされます。
省エネ(葉を半分閉じたり)もしますし、仮に過剰な紫外線で
生産された副産物があればそれを花の色素として生かしたり。
きっと、植物は私たちの想像以上に、システム化したすごい
生き物なのでしょうが。それはそれとして、この季節はやはり
人間目線で紅葉を味わいたいところです。