伐採もいろいろ


2015年11月25日

ようやく師走の足音を感じるような気温になってきました。
このところ現場へ直行直帰で会うことがない、S部長とU君たちは
自動潅水工事の作業の応援が続いています。大掛かりな工事の
竣工まで手に汗にぎる作業工程だったようです。
今日は冷たい雨の中の作業でしたが、うまく仕上がったようです。

先日エコ・ワークスでは少し珍しい伐採作業のご依頼がありました。
それは、1本が4tぐらいの長さ6m~8mぐらいの8本ほどの
沈木(ちんぼくと呼びます)を移動させるために玉切りする作業です。
今は埋め立てられた貯木場に浮いたり沈んだりしていた、昔の材木の
なごりの大きな木です。当初お電話を受けた私は、『ちんぼく』と
『神木(しんぼく)』を聞き違えて少し難色を示しました。ひとまず、
エコ・ワークスで唯一大型チェーンソウで『大径木伐採』の資格を
持ち、『人間ユンボ』の異名を取るIさんに相談しました。
地元の神社への手配云々の話の途中で聞き間違いが分かりました。

いつもなら樹木の移動や処理に結構手間隙がかかるのですが、今回は
ただただ『切る』作業だけです。まさにチェーンソウさばきの腕の
見せ所です。現場では重機や手元の応援もして下さることになりました。
Iさんは段取りの良さが定評です。事前準備物も念入りです。
重い刃渡り90cm以上あるチェーンソウに、リン木と呼ばれる、
丸太を切る際に台にする木。加えて切った丸太が転がり出さない
ようにする三角の材を必要数。ワイヤーも数種類、シャックルもつけて
あります。それら一式を手際よく準備し。重機オペレーターと
連携しながら吊り上げて切るのです。

広い場所に、暴走族並の騒音を立てながら、予想していた作業時間より
大幅に短い時間で終了したようです。意気揚々と引き上げてきたIさんに
チェーンソウを持たせてもらいましたが、私は持ち上げることもできま
せんでした。ランボー風の作業姿が目に浮かぶようです。

マツやマキなどのチョキチョキと仕立てが好きなYさんや、
切り花にもとても詳しいU君まで。
エコワークスでは、植物との関わり方について、適材適所で臨みます。

紅葉考


2015年11月2日

11月の雨は肌寒いです。予定の作業が流れました。
今月の花のハナミズキさんが紅葉について触れていましたが、
なぜ植物が紅葉するのかは諸説あっても解明されていないようです。
アントシアニンという物質のせいで赤く見えるということと、それが
低温で作られるということは間違いなさそうですが。
植物にとって何のためかというのははっきりしないようです。

紅葉するものも黄葉するものもみな落葉樹です。
夏場せっせと、緑色の葉で光を受けて栄養分を作っていましたが
気温が低下するにつれ、生産量が落ちていきます。
逆に、葉を維持するための水や養分の消費の方が大きくなってきます。

落葉は葉と樹木の間に、楔を打ち込むような離層と呼ばれる細胞が
作られることから始まります。気温がある一定の温度より下がると
その工程のスイッチが入ります。離層が形成されると、本体から
葉へのさまざまな補給が止まります。それでもすぐに落葉せず、
葉はしばらくの間、光合成を行い糖分を葉に貯めます。
その時期に葉の中で起こる化学変化の結果が紅葉です。

一体何のためなのでしょうか?

一説によると、赤い色が鮮やかなものほどアブラムシに敬遠される
のだそうです。アントシアニンを大量に作れることがアブラムシに対する
『威嚇』になるという考え方です。他にもあるようですが。
これまでの風情のある紅葉の景色が、頭の中で、モミジ人間の
赤味がかった筋肉比べの会場のイメージに変りそうですが・・・

植物が無駄なことをしないことにはいつも驚かされます。
省エネ(葉を半分閉じたり)もしますし、仮に過剰な紫外線で
生産された副産物があればそれを花の色素として生かしたり。

きっと、植物は私たちの想像以上に、システム化したすごい
生き物なのでしょうが。それはそれとして、この季節はやはり
人間目線で紅葉を味わいたいところです。

 


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