あなたの『きれい』と私の『きれい』


2015年1月21日

ほぼ1年前に、思い立って東京にコンテナガーデニングの勉強に行きました。
冬から始まって春で終わった研修はとても良い経験でした。
造園業界や園芸業界というくくりを越えて、景観づくりの分野の一線で活躍されている
さまざまな講師の先生のお話を伺いました。心に残っているのが、表題の言葉です。
正確には「あなたの『きれい』と私の『きれい』は違う」と続きます。
これは本当に言い得て妙です。私たちの仕事は、一番はお客様の気に入っていただくことに
重きを置くのですが。どんなものが気に入っていただけるのか。
最初にいろいろお客様の頭の中にあるイメージを言葉にしてやり取りしますが、
結構難しいことがあります。

これが長いお付き合いになってその方の人となりや、好みなどが分かり始めると、
こちらも提案しやすくなるのですが。なかなか初対面の場合はそうもいかず、
正確に伝わらない場合には思いのほか苦戦します。
時に、全く最初と最後では違った場合もあり、それを見抜けない自分の非力を
嘆くこともあります。それでも何とか、全ての経験を活かしていきたいところです。

その先生のもう一つの言葉も興味深かったです。
それは「お庭はあなたの『作品』ではない」です。この業界には職人気質の方が多く、
自分の仕事に誇りを持つあまり何事も「こうでないといけない」と押し付ける方も
少なからずおられます。確かにお客様より専門知識を豊富にもっているのは事実ですが。
日々暮らす方が毎日見るお庭に、自分の思いが活かされずに、他人の思いに
納得しなければならないのはとても残念なことです。

そういうことも含めて如何にしてお客様の意を汲むのかということが今年も私たちの
課題です。
今日は久々にメンバーでいろいろ反省も含め、議論しました。
私が常日頃感じている『植物力』を何とか、お客様にも感じていただけるような仕事を
スタッフ一同でしていきたいです。

植え込んで1ヶ月あまりの駅前花壇です。ほとんど手を入れていませんが、
冬場ということもあり、雑草にも負けずに順調です。大寒も過ぎ、梅が咲き始めたら、
このお正月の色合いがちょっとうるさくなることでしょう。


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