順応力


2014年9月26日

秋晴れの中。
朝早くに灌水作業、通常時間に、個人邸の除草剪定と現場が分かれました。
私は、敷地中央のシマトネリコの下の作業台で10個ほどのハンギングづくりをしました。
この夏は忙しく、花壇はいわゆる『紺屋の白袴』?状態で、植物はやや荒れ気味です。
Uさんが、作業の合間を縫っては除草してくれていますが、追いつきません。
それでも、『炎天下』ではなく、キンモクセイの香りの混じった涼しい風の中、
虫の音を聴きながらの作業は、大好きな時間です。

『今月の花』担当のハナミズキさんが画像を撮りに来てくれました。ネタがあまりないので
やや苦戦気味ですが、そこはいろいろ工夫しながらの撮影です。
植物に癒されている私を見ながら、「そうね。植物に関わる人はストーカーに・・・・・って言うしね」と
つぶやきました。植物とストーカーと言う意外な組み合わせでしたが、肝腎の「・・・・」が
聞き取れなかった私は、その部分に「狙われない」と言う言葉をはめ込みました。
その理由として、(そうか・・・植物の香りか何かが忌避剤として働くのか)と想像しました。
(そういえば私はカメムシの匂いが全く平気だから。案外フェロモンのようにカメムシ成分
が出るのかもしれない・・・)そこまで考えついて「なぜ?」と聞きました。
ハナミズキさんが、「だって、植物相手って思うようにならないことに慣れるでしょ。
だからストーカーにはならないらしいよ」と。完全な勘違いでした。

初めて聞いた『説』ですが。植物相手の忍耐力もさることながら、確かに、適応力というか
立ち上がりの速さは植物に近いかもしれません。

秋来ぬと目にはさやかに見えねども・・・


2014年9月25日

今日、帰るときに門を閉めていたら、ほんのりとキンモクセイの香りがしました。
私にとっては今年最初のキンモクセイの香りでした。
お隣に植えてある木の一枝に、小さな花が咲いていました。
色んな事があった一日だったのでその香りをかぐとなんだか心が安らぎました。
人間と違って植物は、ものを言わないのでその『言葉』に振り回されることもありません。
言葉に頼らずに、素直な気持ちになれることが、植物が人に与える癒し効果でしょうか?

風に乗ってきた静かな香りが、ちょっとへこんだ私を元気づけてくれました。

配色と配植


2014年9月24日

このところ花壇やコンテナや寄せ植えなどの秋の草花の植え込み作業が続いています。
仕入れの時点である程度、デザインをイメージしているのですが。
苗は生ものというのか、そのときどきに市場に出ているものを集めることになります。

面積が広く、大量の苗が必要な場合は、事前に注文しますが、それ以外はあらかじめのデザイン
というより、手に入った苗を生かしたデザインに落ち着くことが 多いです。
時に、ラフな手書きのデザイン図を 持っていくこともありますし、小さなスペースの場合は、
現場で合わせます。 それはちょうどキャンバスに絵を描くような感じで、手元に置いた苗を
絵の具として、 量や色合わせを考えながら配置していきます。
絵の具と異なり、将来の生育を考えなければいけないので 絵の具ほど自由に配色できませんが。
ただ将来変化することの効果を狙うことも可能です。

例えば今日植え込んだコキアは今は黄緑色ですがいずれ真っ赤になります。
そのため、合わせた色の雰囲気が 後日全く違ったイメージになります。
そんなことを考えながら植えこんでいくことに醍醐味があります。
植え込んだ後は、開花している花を取りますので直後は一気に地味になります。
というのも花を咲かせるのは植物に負担を強いることになるので、植え込んだ直後は
根付くことにエネルギーを使ってもらいたいからです。 ただ、これから日照時間も
気温も条件が悪くなっていくので夏場のような急激な生育は望めません。
このあたりの花の残し加減も工夫が必要です。

私たちの仕事は、永遠に残るものではありませんが、それでも移ろいも含めて
街の中の季節の風景づくりという 作業だと思っています。

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