節目の日


2010年3月31日

今日と明日では季節の上では極端な差はありません。
でも、今日は年度の最後の日です。
4月から3月の契約の仕事は今日が契約最終日です。
この3年間かかわってきた大道筋阪堺線沿いの花壇管理業務も
本日でひとまず終了です。

もともと植物に年度という区切りはありません。
管理という仕事も、初年度は状況の把握だけで終わってしまいがちです。
この場所がどんなところで、どんな植物をどうやって育てていくのか
などがわかるところまで至りません。
一年目はとにかく、雑草対策に振り回されました。
カチカチの土に雑草はたくましく根を張りますので、
大きな根株を鎌で叩いて?根気良く堀上げる作業は
少々ハードでした。
そんな作業の中で、真夏の状況。潅水後の土の状況など。
いろんなことがわかってきました。
ありがたいことに、協会の担当の方も柔軟に対応して、一緒に
さまざまなことを挑戦してくださいました。
二年目でようやく、雑草も生えますが、抜きやすくなりました。
ただきれいに抜いて土だけになると、また雑草が侵入し、
時間が経過すると、本命の植物と光の取り合いになってしまいます。
実は、花壇を美しく維持するのは、「植えること」より「植えた後」が大事なのです。
どれだけきれいにデザインしても、日本のように雨もそこそこ降るところでは
あっという間に、雑草に埋もれてしまいます。花は好きでも草抜きは苦手
と言う方にとっては厳しい現実です。
このあたりの現実をふまえて、いかにかけた労力に対して効果的に
きれいに管理するのかということを中心に、作業の段取りを組み始めました。
三年目の今年度にようやく、この場所に合った管理の仕方が
分かってきました。除草のタイミング。周囲の状況に合った、植物選び。
きれいな景色を長期間維持するための、病害虫の早期発見と防除。
すべて早めの対応が後の作業を随分軽減させてくれます。
結局至った結論はごく当たり前のことでした。
もちろん3年間を通して、植物への思いも重要な要素でした。
うちのスタッフはよく、植物の様子で「元気」を気にします。
同じように見えても人間と同じで、何となく分かるものです。
「あのこ(あいつ)元気ないなあ」と元気度はチェックの一つです。
不思議なことに、植物は綺麗だと思って
目にかけていると、益々輝いて見せてくれます。
植物と仲良くなって、手助けしてもらう?ことも、
省力化のポイントの一つかもしれません。

そう言えば昨年度植えた、
本来、開花期間が4月から5月のリキュウバイまで、
3月31日までの契約期間内に、間に合うようにあわてて咲いてくれました。

(というのは冗談ですが)とても有意義な3年間でした。

壁面緑化の潅水工事


2010年3月21日

S部長のレポートから…
多くの人が暮らす都市の気温が上昇する、「ヒートアイランド現象」は
最近の地球温暖化とも相まって、益々厳しくなる傾向があります。
このヒートアイランド現象の緩和に、都市の緑化が果たす役割は
大きいと言われています。中でも、限られた空間を活かす、
屋上や壁面緑化が注目されています。今回は行政からの
補助金対象にもなった壁面緑化の潅水工事のレポートです。
場所は「姫路市飾磨区」。
ここは、江戸時代には姫路藩の海の玄関として栄えました。
明治時代に「飾磨県」となり、その後兵庫県として合併しました。
昭和に入ってからは整備された港湾を中心にした工業地帯として
発展を遂げた街です。
現場はコンビニエンスストア、レンタルビデオ及び酒の
ディスカウントショップ、本屋、レストランが集合した
共通駐車場に位置します。その中に高さ5mの大型倉庫があるのです。
その壁面3方向(長さにすると60m)の、パネル状の芝生への
潅水工事です。
作業は5mの足場を伝って行われます。面積にすると、
長い方の面で200?ほどです。地上で200?の潅水工事というのは
慣れた作業ですが。壁面となると、状況が異なります。
1セット縦1m×横0.5mのパネル状の芝生が4段に並んでいる各段の上側に
給水用のポリパイプを通していきます。

地を這う作業の代わりに、
高い位置で水平移動です。パイプを通した後、今度は段を構成している
パネル(合計250枚)ごとに、通っているポリパイプに3カ所、
パンチで穴を開け、その穴にドリッパー(1時間に2ℓの水が沁み出す部品 
計250枚×3個=750個)を芝生に差し込むようにして取り付けていきます。

何といっても、潅水設備がこの壁面に植栽された芝生の維持の決め手です。
水が行き渡らなければその部分は枯れて、緑が台無しになります。
それだけに慎重に確実に差し込んでいきます。
最後に給水用のポリパイプが正面から見えないように、
インシュロックで固定していき、通水試験を行って全作業終了です。
平面と異なり、壁面緑化は文字通り、緑の壁がそそり立ち、
とても目立つものです。今回の場合も、各店が集まるこのゾーンの
シンボルとしてオーナーが決めたとのこと。壁面緑化自体が
まだ珍しい存在だけに、潅水工事に興味を持って、
駐車場に車を止めた人がわざわざ、作業を見に来ることも多々ありました。
そのうちに芝生も青々としだすと、この一帯の名所?になるかもしれません。
もちろん、視覚ばかりではなく、本命のヒートアイランドの抑制効果も楽しみです。


イメージ

緑化の分野でも、まだまだ、目新しい風景ですが、
行政の補助金制度も利用できることから最近は施工事例も増えつつあるようです。
これまで、緑とは全く縁の無いような空間さえも、
潅水設備さえ整えば、新しい緑化空間が広がります。
高揚した気持ちになったのは、まんざら高い場所に登ったからだけではないようです。

弥生三月


2010年3月18日

この二ヶ月あまり、体調ではなく、精神不調でした。
いろんな意味で、この6年間ほど、なりふり構わず
猪突猛進?してきた反動かもしれませんが。
自分が信じて疑わずに向かっていく目標が少々ぼやけるというのか。
迷いが生じるというのか。時勢に振り回されるというのか。
おかしな例えですが。エンジンがなかなかかからないときに
チョークを引きながらやりすぎて、余計湿ってかからないと
いうようなもどかしさです。
(余談ですが、造園作業には引っ張ってエンジンをかける道具が
やたら多いのです。ブロアー、薬剤散布や潅水用の機材。
チェーンソー、刈り払い機など引き加減や引っ張り角度などで、
「一発点火」と「何度も失敗」に分かれますが。)
穴に落ち込むような気持ちから脱出する処方として、
大阪人の私は日々の暮らしの中で少しでも「笑い」を探します。
泣きたいようなことも「ネタ」にすると、客観視できるから
不思議です。
そんな気分の合間にも、植物に関わる作業としては、
個人邸の玄関前のリフォームや、ロックガーデンの植え込み、
コンテナガーデン、年度末の仕上げの大道筋の植え込みや除草作業
などがありました。
それらをスタッフと一緒にこなしながら、日々を送ってきました。
同じ空の下で笑い合いながら共に生きていくというのは
それだけでも、とても大事なことかもしれません。
春めく日がようやく近づいてきました。
私は私なりの生き方で、今を大切に、精一杯がんばっていこうと
思う今日この頃です。


ページトップへ