ピンク・ピンク・ピンク♪


2016年3月5日
フライング

敷地内に咲き始めた河津ザクラ

子どもの頃から好きな本はいくつかありますが。

以前にもここで書いていた福永令三作の『クレヨン王国の12ヶ月』は本当に
大好きな本でした。どれほどの熱意で好きだったのかというと・・・
最初の出会いは小学3年生の頃。新刊図書として読みました。口絵の絵は3月の章で
主役のシルバー王妃と、少女のユカが、レンゲ畑に寝そべっているシーンだったと
記憶します。(50年前の記憶です!)
期限いっぱいの1週間?借りて、何度も読み返して名残惜しげに返却しました。
それから3年後、6年生の3月の今頃、卒業式を18日に控えたある日、
3年生だった弟が同じ本を借りて来ました。少々古びて背表紙にセロテープが
貼ってありました。私は、弟に期限いっぱい借りることを頼んで、そして・・・
何をやりだしたのかと言うと、その本を、原稿用紙に写しだしたのです。
今から思えば出版社を控えるとかその程度のことで済むはずでしたが。

頭の中に、道徳の時間に習った『杉田玄白』が解体新書を書き写した話が浮かび。
(『写本』そうだそれしかない!)と、なぜそこに至るのか当時の私の思考回路
は謎ですが、一心腐乱に書き写しました。中学の入学祝にもらった万年筆で
数ページ書いた跡もありますが、原稿用紙が次々になくなり。途中からは升目を
無視し・・・それでも日が経っていきます。卒業後、余分にあった春休みを
ほとんど、その作業に費やしていましたが。ついに図書の本を早く持って来なさいと、
担任の先生にせかされて、半べそ気味の弟の訴えでようやく作業を終了しました。
残念ながら半分の6月の章までしか写せませんでした。

それ以降、その本を読みたくなるときは分厚い稚拙な字の原稿用紙を見ていました。
それから年月が経ち・・・大学4年生の教育実習のときに、帰り道の本屋さんで
再版の文庫本を見つけ、すぐに購入しました。その後読みやすいシリーズの文庫本になり、
教師時代は担任していた子どもたちに。もちろん、息子たちにも読み聞かせました。

20年近く前に著者の福永さんにこの本への熱い思い?をお手紙で送ったら
ご丁寧な直筆のお返事としおりを頂きました。数年前に亡くなられましたが、
良き思い出です。

前置きが長くなりましたが、3月の章はピンク色がテーマでした。
各章に必ず出てくる、色に関連した詩の中に、ピンク、ピンク、ピンクという
フレーズがあるのですが。
敷地内の花が今まさにそんな感じです。残念ながらレンゲ畑は見られませんが。

画像は、つぼみがヤグチモモ、ブルーピンクのバージニアストック、
チロリアンデージー、ヒヤシンス、です。
モモ
バージニアストック デージー
hiyasinnsu


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