枯れ葉よ♪


2015年12月21日

長かった紅葉、黄葉の落葉樹もようやく、枝だけが残る冬景色になってきました。
ただ例年と違うのは、そろそろつぼみが膨らむロウバイの木に葉がついたままの
木が目立つことです。ウメはやはり、梢に花が咲いてこそ、美しさが際立ちます。
元々、一つ一つの花は地味ですが、葉は平たく大きめです。それで、花がほとんど
目立たなくなってしまいました。しかも葉色の黄色と花の色も重なっています。
最もさすがに年末までには、葉も落ちてしまうはずです。

我が家に隣接する市の緑地帯の葉も、一気に落葉しました。
そのために、あっという間に、玄関アプローチや、ガレージの出入り口に
落ち葉が溜まり、吹き溜まったところは、20cm近くありました。
当初ひらひらと落ちてきたものを都度に箒で掃いていましたが、ある夜
強い風で、文字通りドサッと落ちたときは、少々てこずりました。
この20年近く、近隣の街路樹は葉がまだ緑色の状態で剪定されていました。
それが昨年度から剪定の時期がずれて、紅葉するところまで見届けることが
できるようにはなったのですが・・・・
タイルやコンクリートの上に落ちた葉は土の上に落ちるのと違って分解しません。
本来、森の中の落葉樹がつくる豊かな林床となるはずの、落ち葉はゴミとなって厄介者
扱いです。根が土壌から吸い上げた養分は土に還ることなく、燃えて大気中に放出
されていきます。これは客観的な事実ですが、住民となるとさらに違います。

昨年は、大きなゴミ袋で一気に30袋ほどの落ち葉を掃き集めました。
放置すると、雨が降って水を含むと滑りやすく、またコンクリートやタイルに跡がつきます。
仕事で作業として葉を集めているときにはさほど感じないのですが、休みの日に、
大量の落ち葉を集めていると、ちょっと殺伐とした気持ちになってきます。
第一、仕事の場合は機材もあります。トラックの荷台に上げてしまえばいちいち袋に
詰め込む手間隙もありません。また作業には段取りと際限があります。
何より複数の人間が分担作業を行います。
その点、自分の家の周りの落ち葉を掃くのは、孤独な延々とした手作業です。
掃いても掃いても、際限無く。自分が樹木に比べてとても小さく感じます。
とても季節を味わうような気持ちになれません。段々、樹木に対する愛着とは逆の
気持ちが発生してきます。
これこそが街中の緑が、落葉前に無粋に剪定される大きな理由の一つだということを
改めて思い知りました。

それにしても、物事の両面を知る立場として、微妙な気持ちになる今日この頃です。


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