やられた!・・・かもしれない


2014年7月11日

台風が、雨雲を引き連れて東へ移動しました。
元々熱帯生まれの台風なので、通過した後は気温も上がり
ムシムシと、息苦しいような暑さです。
しかし、セミの鳴き声が聞こえ始めています。梅雨明けも間近でしょうか?

今日の現場は、公共の花壇管理組と個人邸の伐採剪定組に分かれました。
個人邸の方はまだ引っ越しておられないので今は無人です。その期間が
長かったのかお庭は少し荒れ気味です。
お引越しまで間がありますが、建物のリフォーム等の工事に支障が生じるので、
大きな木の撤去や強剪定作業に入らせて頂きました。男性3人で
チェーンソウも使っての剪定。明日は一人が形を整える剪定を行います。

池もある広い敷地のここかしこにあるツバキの木に加えて
10数mのチャノキの群植に嫌な予感がしていました。
というのも、この時期は例の『チャドクガ』の季節だからです。
チャドクガの毒針は脱皮した皮でも効果は同じなので、怖いです。
一度アレルギーになると年々症状がひどくなるのも怖いです。
チャドクガには何度も痛い目に合わされ、アレルギーの私は
チャドクガにとても神経質になっています。そのため他の病気まで
勘違いしたほどです。

チャノキの根元の掃除を手伝う時に、何度も虫博士のK専務に
「チャドクガはいませんよね」と尋ねると「いません」と言われ安心しました。
下半身をチャノキの隙間に埋めて、顔を突っ込まんばかりに落ち葉を
かきだしていると、なんとなく体がチクリとむずがゆくなります。
気のせいかな?と思って作業の終了近くに、しつこくK専務に、
「チャドクガはいまんせんよね」と言うと、「あまりいません」というのです。
思わず「エエっ!いるんですか!」と叫んでしまいました。
確かに、チャドクガでも全然平気なK専務にとってはどうでも良いでしょうが・・・
『いる』か『いない』か聞いているときに『量』は関係ないやろ!
と恨み節を心の中にはきながら、戦々恐々としている私です。

症状は3日後あたりに出るのです。
赤いブツブツの天の川が体にできるかもしれません・・・・

今とても欲しいもの


2013年10月8日

それは、倍率25倍の携帯用角型ルーペです。
私たちの仕事の中の、植物の管理については、気温、天候、季節などの
自然環境や、土壌、水、病害虫などの外部要因も大いに影響します。
常に、生育状況を観察しながら管理の目安にします。
特に、ここ最近の残暑というのか、秋なのに暑い日々が続く中で、
病害虫の発生が多いこと!

ただ暑さが残るといえ、あのめちゃくちゃな炎暑に比べるとやや心地良い気温に
一息ついて喜んでいるのは、人間だけではなさそうです。
肉眼ではっきりとわかるケムシの類(実際は、さまざまな幼虫ですが)以外にも
小さな害虫の大量発生で、せっかく育てた植物の様子がおかしくなっているのに
気付きます。
もちろん早期発見、早期対処が理想的です。

種から育てたコスモスの苗を植えてから、その成長具合を気にしています。
風に揺れるコスモス畑を道路の真ん中に作るためには苗の健全な
成長が必要なのですが、今年は今一つ背丈が伸びません。
特にこの時期に怖いのは、花芽のできる頂点が害虫にやられることです。
ダニやアブラムシの類は、やわらかい新芽をねらうので特に要注意です。

たくさんの苗が並んでいる様子を見回って歩くと、なんとなくおかしな様子の
苗が目につきます。
例えば、葉の色が周囲のものと違う、形が委縮している、なんとなく元気ないなど。
そのあたりを、アブや、テントウムシなどの害虫を餌にする天敵が飛んでいれば
なおさらです。
ただ、それらの小さな害虫は、肉眼では見えにくいものです。特に最近老眼の
進んでしまった私にはなおさら厳しいものです。
そこで必携なのがルーペです。

先日も、怪しいコスモスの苗を持ち帰ってDr.カーバチことK専務に見てもらいました。
さっと年季の入った、携帯ルーペ(イメージキャラと違って角型ですが)を取り出し
じっと見ながら・・・・
「おお!いるいる。アブラムシをアブの幼虫が食べている!オッ!アリが出てきて
そのアブの幼虫を口にくわえて放り投げている・・・」と楽しそうに言うのです。
この場合、コスモスにとってアブラムシは当然ながら『敵』です。
それを食べてくれるアブの幼虫は『味方』です。
が、アブラムシから蜜を取るためにその用心棒となっているアリは『敵』となります。
それを面白そうに言うので私には羨ましいところです。
白い点のようなヨコバイがセミの仲間であることも拡大された形を見ればよくわかります。
今年大量発生したグンバイムシの羽もレースのようで、ちょと不思議な世界です。
それは「今月の花」のハナミズキさんが言っていた、まさに『センスオブワンダー』です。

それで、私も携帯ルーペを購入しました。倍率20倍のものです。K専務が
「買うのだったら絶対25倍のもの!」とアドバイスを受けていたのですが・・・
それが無いのです。仕方なく(20%ごときの差はまあいいか)と入手したのですが。
やはり見にくく、視野も狭いものでした。
「25倍と20倍では全然違いますよ!」という言葉も悔しいまま、
ネットで探せど全くみつからない、幻の25倍ルーペなのです。

 

キン○ン塗って、また塗って♪


2013年8月22日

ちょっとなつかしい虫刺されの薬のCMソングです。
多分。世の中は虫に刺されたとき薬をイメージしてこの歌が浮かぶ世代と。
それ以外の商品名しか出てこない世代に分かれるのかもしれませんが。

この時期、ハチたちには食べ物の蓄えどきです。
先日グンバイムシを駆除したヒマワリ畑にも、ハチがたくさん飛び回っています。
道路の真ん中と言えど、ハチたちには格好の餌場になっています。
潅水作業のスタッフが刺されてしまいました。

農薬使用というと「皆殺し」のイメージが世間にはあるようですが
私たちの仕事の中ではありえません。一度農薬を使ってずっとその効果が続くこともないです。
それに、虫を根絶やしすることは人間にとってもあまり利益のあることではないからです。
だからと言って全く駆除をしないと、植物はとんでもない状態になってしまいます。
人間が選んだものを人が力を貸して守るという意味では雑草対策のときと似ています。
もっとも雑草も除去しても除去しても生えてきます。
私たちは常に、適正の農薬を、適切な使用法で、必要最小限度の量で効果が出るように、
できるだけ早期発見早期駆除を行うようにしています。
その結果、薬剤を使った後に、新たな虫がやってきます。

先日、近未来(2037年)の農業を描いた『ジーンマッパー』というSF小説を読みました。
面白かったです。

以下少しネタバレを含みますので、ご注意を。

その頃人類は、一部の遺伝子を組みかえるのではなく、ゼロから遺伝子を組み立てて
新種の作物を開発していました。その結果、無農薬で、安全で環境への配慮もすばらしく、
かつ爆発的な収穫量での食糧生産を行っていました。
主人公はジーンマッパーと呼ばれる、遺伝子レベルで設計して、植物の外観をデザインする
仕事をしています。巨大な農場の中に、イネで企業のロゴを浮かび上がらせるプロジェクトに
関わっていました。
(作者が日本人なので私には田んぼアートのイメージでしたが)
その『無農薬』農場にバッタが侵入し完璧を誇るイネが次々とやられ・・・

遺伝子工学をはじめ画像技術などさまざまな先端技術が出てきます。
その中で登場人物が「バッタなんているわけがない!!」と叫ぶシーンがあるのですが。
その理由は『完全無欠』の『無農薬農場』のために、その農場を、環状に広い範囲で取り囲んだ、
虫の皆殺しゾーンを設けているのです。
そのデスゾーンの中に、農薬を使用しない農場があるのです。

この『無農薬』と『虫の皆殺し』というパラドックスを、私は妙に納得しながら読んでいました。
実際に屋外でさまざまな作業をしていると、全くの無農薬で病害虫から植物を守ることは
現実的でない気がします。
巷には『無農薬』と言う言葉があふれているのですが・・・・複雑な心境です。

さて、エコ・ワークスには、もちろん、虫刺されの薬は常備されています。
以前私が書類への押印の際に、離れた場所のMさんに「印鑑」をお願いしたときに
本物の「キン○ン」が出てきたときにはびっくりしました。もちろんMさんは本気で
聞き間違えたのですが。爆笑でした。もっともその後で、Mさんに
「大阪人やったら、押すまねして『なんでやねん』までやって欲しかった」と
言われましたが・・・・造園屋ならでは(うちだけか!)の「ネタ」です。

 

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