武士道には遠い日々


2016年9月26日

今年は、まだ気温が落ち着かないせいか、秋らしい景色にならないと思って
いたら、台風の後、窓の外の田んぼのあぜ道に鮮やかヒガンバナの花の群が。
こちらは少々フライング気味のような感じです。残暑が過ぎれば秋は案外
短いのかもしれません。

このところ現場作業に出られないため、デスクワークばかりです。
口は元気なのですが、作業ができないので、普段しづらい講習会の説明資料
づくりなどをしています。1人でも、園芸に関心をもってもらい、もっと花好き、
緑好きな人を増やすのは、長い目で見れば、種まきのような作業です。
年に何度かある講習会の内容を、自分たちが実際に体験したことも含め
説明することは、教科書にあることと一味違ったものになるかもしれません。
植物は本当に、知れば知るほど面白い生き物です。単に飾り物というだけでなく
生き物としての特徴を知ってもらうと、管理の方法にもそれが活かせます。

とまあ、動けないときなりの作業をしています。最も、先日治療が変わり、
そのおかげで少しずつましになってきました。ただ週に一度自分で注射
しなければなりません。ペンシル型のものを膝に突き立てるのですが。
二度ほど病院で練習して、先週初めて自宅で挑戦しました。
つい、手に汗握る感じで突き立てるのですが、ためらい?のせいか何度
やっても注射針が出ず、そのたびに消毒し直してちょっとパニックになりました。
結論から言うと、キャップの外し忘れでした・・・・。

10秒の注射でも心穏やかになれず、宮本武蔵曰くの『巌の身』には
程遠い私です。

暑さ寒さも彼岸まで


2016年9月16日

のはずですが、お彼岸が近づいてもなかなかの残暑です。
今日の作業は、剪定組と、自動潅水工事組です。
本当は、そこに灌水組も加わる予定でしたが、ここしばらくの秋雨に
近々台風の影響も出そうなので、中止になりました。

剪定組は、10年ほど前にも一度お伺いしたことがあるお宅です。
昨日から2t車で1.5台ほどの剪定ゴミを排出しています。今日の1台と
合わせると、元のお庭が相当すっきりした状態になるものと思われます。
例えて言うなら、鎮守の森の中に住んでいたような感じが、冬?の雑木林
の陽だまりの中のような・・・・要するに、大きくなりすぎた常緑樹を、
伐採もしくは、強剪定すると葉が落ちた後の落葉樹のようなスケスケ感が
出るのです。今年の酷暑の、夏の日差しを遮っていた深い緑よりも、
これから日照時間が減っていけば、お庭に日が入った方が気持ち良いです。

自動潅水工事組は少々遠方の町の工事です。全体の完成は秋ですが、
灌水工事はいろんな工事の方と日程の調整しながら進めることになりますが、
今日が初日です。この夏のような、猛烈な気温と乾燥には、自動潅水は
省力化に大いに役立ちます。もちろん、人間が土の状況を見ながら水を
やっていくのが理想ですが。いろいろな条件で自動化の必要性が生まれます。
この夏、公園の広い花壇管理で、『土が乾いてから』通常量の水をやっていては、
日中の蒸発量に追いつかず、湿った状態に追加の水をやって、少し間を空けた
方が効果的でした。人がやっても装置がやっても、最終ゴールは、植物が健全に
育つことです。人間にも植物にも厳しかったこの夏もそろそろ変わり目です。

入荷苗を見ると季節は確実に秋になっています。

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秋雨前線


2016年9月12日

少しずつ気温が下がってきました。それにつれて、朝と夜の気温の差が大きくなってきました。
植物は、そのような温度差のあるときに成長しやすいのです。しかも花の色もはっきりとしてきます。
この夏、何とか怒涛のような、酷暑を越えた花がようやく息を吹き返してきました。
残念ながら持ちこたえられずに討ち死にした花もたくさんあります。

先日読んでいた本で、植物にとって大事な温度は、どちらかというと『気温』では無く『葉温』だと
いうのです。人間で言う所の体温でしょうか?そう言えばこの夏、余りの光の強さに本来夏の暑さに
強いはずの品種の植物の葉が焼けていたりしたことがありました。葉温が限界を超えて上がったと
いうことなのでしょうか。葉温は、きつい光と、土が乾燥しているときに、一気に上がります。
ただ、光がきついときでも、風が吹くと変化します。表面に温度差ができることで、熱が逃げて
いくからです。酷暑でも風通しが良い場所だと比較的、葉温の上昇が防げます。
空気中の湿度が高いのに、土が乾いて水分不足でも葉温は上がりやすいです。
そんなときに、光があたると、いっぺんに葉が痛んでしまいます。湿度が高く土が乾くことはあまり
屋外ではありませんが、屋根があったり、ビニルハウスの中では起こりやすい状況です。
だから生産農家の大型ビニルハウスには、換気システムや、遮光ネットがかけられています。
そこで出荷された苗は、1週間ほど、通常の屋外の光に慣らす(順化)必要があります。

この夏、自分が不調だったせいか、酷暑の中の植物もとても大儀そうに見えました。
おでこに手を当てるように、葉を触れば、余計そのつらさがわかったかもしれません。
それでも、ようやく、ホッと一息つける気温の日々が増え始めました。

 

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