静かな週明け   2008年3月17日(月)


2008年3月17日

本日事務所は私と、Mさんだけでした。
私は午前中は入札に参加していました。普段はS部長にお願いしていますが
今日は遠方の潅水工事です。
集合時刻に遅れないように、早く着きすぎないように、
時間の調整が微妙です。
張り詰めた空気の中で、書類に数字を書き込むのは
学生時代の試験とは異質な緊張感です。
みな真剣です。
予定価格は下落傾向です。取れても取れなくても、終わった後は疲れ気味です。
もちろん楽な仕事など世の中にはないでしょう。
諸々厳しい時代です。
そんな中でとても良いことがありました。
以前から交渉させて頂いていた方から、ご契約頂けたのです。
立場の違いや、組織の大きさの違いをそのまま態度に出される方も
おられますが、ずっと紳士的にやり取りして頂けた事に感謝しています。
担当のK専務や、S部長はもちろんみな大喜びです。
午後から年間管理をさせていただいているYさんの所に行きました。
ご高齢のお母様のためにと、4年前に私たちが造園させていただきました。
出歩く事のほとんど無いお母様が四季折々の変化を花木や草花で味わえるように。
また元サッカー少年だったYさんのこだわりの芝生も。
お仕事やご趣味の合間の管理では潅水ホースが無いと維持は難しいところです。
そのお庭を楽しんで下さったお母様も一昨年に他界されました。
今は剪定や植え込み以外は、Yさんがまめにお手入れされています。
久々に伺うと、やや雑草が目立ち、土も乾燥気味です。
「最近放りっぱなしで。」とYさん。
お好きな色だという黄色を中心に、こちらで芽出しさせたチューリップや
ラナンキュラス、リナリア、紫系のペンステモンの花々を
パンジーの合間に植え込みました。
どれも切花にできるので、お仏壇にも供えていただけます。
気温が上がり始めたので半自動潅水のダイアルを回して下さるように
お願いしました。
「きれいになりました」と言って下さったYさんに、
私も幸せな気持ちで帰りました。

春のフライング   2008年3月12日


2008年3月12日

今日の暖かさはちょっと度を越していました。
午前中は、大道筋の平面花壇のガザニアやマーガレットの植え付けです。
T部長やA子さんが、後でたっぷり水をやってくれました。
1年間の試行錯誤の中で、どのような植栽管理が良いのかが見えてきました。
契約は後1年です。次の1年は今年の反省を元に、イメージどおりの
ものを目指します。K専務やS部長は、見積もりや図面作りです。
かつて、荒れた土地を、土壌改良をしながら花畑を作り出す仕事に長く関わりました。
たくさんの品種の植物の中で強いものや、景観上美しいものなど選抜していきました。
10年の歳月の経過後の、風景の変化は見事でした。
文字通りの荒地が、最初は限られた品種の植物だけが育つ場所から、
後には多種多様な植物が育ち、その結果訪れる虫が増え、それを餌に鳥も現れ、
いつの間にか、自然風な景観になっていきます。
自然風と言ったのは、その場所の特殊な性質がやはり景色の中に残るからです。
例えば、地下の層が浅い結果の樹木の低さとか、日本の酸性土とは性質の異なる
土なので、在来種ではなく、園芸種(特にアルカリを好む海外が原産地の)
の生育が旺盛になることとかです。
少し異国風の景色を見ながら、風景というのは、
その下の土が作り出すものだと思いました。
私が見聞きしたものは非常に特殊で貴重なものでした。
その経験と、その後のさまざまな検証や経験から、今があります。
水、土、植物と関わって、街中の荒地やできれば、心の中の荒地まで、
花畑を作っていきたいところです。
3月は夢見月とも言うそうです。

美しい花がそこにあるのではなく・・・


2008年3月9日

お水取りも終わって、一気に春の気配です。
植物の根や芽が動き始めている様子が、はっきりと見て取れそうです。
これから花の季節を迎えるまでの、一番変化が楽しい季節です。
それなのに、情けないことに、このところ我が家の庭は完全放置状態でした。
以前にもここに書きましたが、仕事で植物を扱っていますが、
自身は兼業主婦です。週末ガーデナーどころか隔週末か、それ以上の
不定期ガーデナーになり下がっていました。
ガーデニングが優先順位の低い作業になっていたのです。
スイセンの花芽の立ち上がりも、ジンチョウゲの花のほころび始めも
見ることもなく。視界に入る、地面にはびこり始めた雑草を
眉をひそめて見ながら、あわただしく仕事に出かけ、帰宅する毎日です。
庭の荒れは、私にとって心の荒れにもつながります。
表題の続きですが、「美しい花がそこにあるのではなく。
美しいと感じる心がそこにあるのだ。」という言葉を以前耳にしました。
どれほど、街の中を花一杯にしたところで、花を美しいと感じる心
を育む社会でないと、花があるだけでは、値打ちが無いと思います。
逆に、一輪の花でも、感動する心がある限り、いつでも
心豊かに暮らせるようになるのだとも思います。
忙しさは心を亡くしていきます。地面の花に目を向ける心の余裕の無い
世の中です。私たちの業界の危機も単に予算云々というより
根っこの深いものかもしれません。
ということで、我が身を反省し、今日は、一日土いじりです。
種から育てた苗の植え替えも一気に行いました。
せっかく新色のパンジーを数種類まいていたのですが、花色を
忘れてしまっていました。花がついているものを頼りに
植え込みました。かわいそうにポットに根が回っていました。
除草と同時に、土壌の改良や施肥を行って、手持ちの苗も植え込みました。
ミニロックガーデンに植え込んだ山野草も順調に育っています。
あっという間に、日が暮れてしまいました。
いつもどおりの土だらけの一日でしたが、仕事とは一味違って
楽しい時間でした。明日から、庭を見るのが楽しみです。

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