潅水ホースにも寿命があります


2011年7月24日

自動潅水担当S部長からです。
暑い夏がやってきて公共、民間問わず潅水の問合せをよくいただきます。
新しく自動潅水をする方と共に、最近の傾向として、
旧い潅水ホースを取替えてほしいという要望が増えつつあります。
先日ご依頼のあった、コーポラティブマンションでは、建設当初から
自動潅水のシステムを取り入れられていました。
システムは手動式で、住民の方が交代制で、当番の方が
潅水ホースの散水栓(水源)を開閉しておられます。
その潅水ホースが15年を経過し、劣化がひどく、
交換することが決まったというのです。
竣工当初より潅水ホースが設置されているところは比較的多いのですが、
実はホースの種類によっては耐用年数や機能が随分異なるのです。
初期投資は少ないのですが、5年ほどで劣化が始まり、元々
不均一潅水(水道の近くと遠くで水の出方が違う)の製品もあります。
カバーすべき場所に水が行き渡らずに、そんな箇所だけ人手をかけて
ホースで水をやっているというケースもあり、
人間「自身が動く」自動?になってしまっています。
また逆に、いつまでも、不要になった箇所まで潅水をしていたため
ホースの張替え時に、一部撤去をご提案して、必要な箇所だけに
敷設して、使用水量の減量を行ったこともあります。
先のマンションは早い時期に劣化を迎えていたホースを使っておられました。
ご注文を受けて、当社で使用するポリエチレン製点滴潅水ホースをお勧めしました。

一つ一つの穴が目詰まりしない構造

メーカーによる耐用年数10年、30cm間隔の特殊な孔から水が浸み出し、
地中で目詰まりもしません。マンションの管理組合の役員さんから、
「どこに頼んだらよいのかわからなかった。ネットで探してお宅のHPに
行き当たった。潅水のシステムの説明がよくわかった上で、検討できた」
とのコメントを頂きました。
ホースが劣化のためにシステムが機能していないのはもったいない話です。
潅水ホースの設置や、交換など、どうぞご遠慮なくお問い合わせください。
またこの際にシステムの変更(手動→半自動全自動a 全自動b)などもご検討ください。

全自動の接続機種はご予算に応じていろいろ


人もホースも、年月が経つほどに、設置当初の状況と変わってきます。
せっかくの植栽も水遣りの労苦で厄介者扱いになっては残念です。
できれば、かけた労力は最小限で、夏こそ緑を生き生きさせて、
涼風を招く毎日を過ごされてはどうでしょうか?

壁面緑化の潅水工事


2010年3月21日

S部長のレポートから…
多くの人が暮らす都市の気温が上昇する、「ヒートアイランド現象」は
最近の地球温暖化とも相まって、益々厳しくなる傾向があります。
このヒートアイランド現象の緩和に、都市の緑化が果たす役割は
大きいと言われています。中でも、限られた空間を活かす、
屋上や壁面緑化が注目されています。今回は行政からの
補助金対象にもなった壁面緑化の潅水工事のレポートです。
場所は「姫路市飾磨区」。
ここは、江戸時代には姫路藩の海の玄関として栄えました。
明治時代に「飾磨県」となり、その後兵庫県として合併しました。
昭和に入ってからは整備された港湾を中心にした工業地帯として
発展を遂げた街です。
現場はコンビニエンスストア、レンタルビデオ及び酒の
ディスカウントショップ、本屋、レストランが集合した
共通駐車場に位置します。その中に高さ5mの大型倉庫があるのです。
その壁面3方向(長さにすると60m)の、パネル状の芝生への
潅水工事です。
作業は5mの足場を伝って行われます。面積にすると、
長い方の面で200?ほどです。地上で200?の潅水工事というのは
慣れた作業ですが。壁面となると、状況が異なります。
1セット縦1m×横0.5mのパネル状の芝生が4段に並んでいる各段の上側に
給水用のポリパイプを通していきます。

地を這う作業の代わりに、
高い位置で水平移動です。パイプを通した後、今度は段を構成している
パネル(合計250枚)ごとに、通っているポリパイプに3カ所、
パンチで穴を開け、その穴にドリッパー(1時間に2ℓの水が沁み出す部品 
計250枚×3個=750個)を芝生に差し込むようにして取り付けていきます。

何といっても、潅水設備がこの壁面に植栽された芝生の維持の決め手です。
水が行き渡らなければその部分は枯れて、緑が台無しになります。
それだけに慎重に確実に差し込んでいきます。
最後に給水用のポリパイプが正面から見えないように、
インシュロックで固定していき、通水試験を行って全作業終了です。
平面と異なり、壁面緑化は文字通り、緑の壁がそそり立ち、
とても目立つものです。今回の場合も、各店が集まるこのゾーンの
シンボルとしてオーナーが決めたとのこと。壁面緑化自体が
まだ珍しい存在だけに、潅水工事に興味を持って、
駐車場に車を止めた人がわざわざ、作業を見に来ることも多々ありました。
そのうちに芝生も青々としだすと、この一帯の名所?になるかもしれません。
もちろん、視覚ばかりではなく、本命のヒートアイランドの抑制効果も楽しみです。


イメージ

緑化の分野でも、まだまだ、目新しい風景ですが、
行政の補助金制度も利用できることから最近は施工事例も増えつつあるようです。
これまで、緑とは全く縁の無いような空間さえも、
潅水設備さえ整えば、新しい緑化空間が広がります。
高揚した気持ちになったのは、まんざら高い場所に登ったからだけではないようです。

「自動」であっても、「使いよう」です。


2010年2月1日

先週は、年間管理をさせていただいているマンションの
敷設されている自動潅水のホースの改修工事でした。
植栽当初、植物の根付きや、管理に必需品だったホースですが。
時を経て、見直しが必要になる場合があります。
もちろん、植物が植えられている地盤の土の量にもよります。
というのも、緑地の植栽土壌が浅く、見た目が直植えでも、
適度な水を定期にやらないと雨水だけでは足りない場合もあるからです。
土もたっぷりで、植物もしっかり根を張って、落ち着けば、
種類によっては、それほど、頻繁に水をやらなくて良いものや、
雨水だけでは枯れてしまうものもあります。
昨今の夏場の気温の上昇傾向と乾燥状態はつながっていますが、
すべて一律に潅水するのではなく、めりはりをつけて
無駄を省けないかというご要望でした。
植物の様子と配管を見比べながら、どこをどう減らして、
残すのか、造園屋の配管工事ならではの、知恵の出しどころです。
設計施工はK専務とS部長の潅水コンビにItさんです。
新設と違い、図面を見ながら宝探しのように、埋設ホースを掘り出し、
しかも、水を止めていかなければならないので、手間のかかる作業です。
地中に隠れて見えないつながりもあるので簡単に切ることもできません。
ようやく、作業のあらましが終了したころ、水圧が低かった部分に
圧力が増したために、これまで目立たなかった亀裂から水漏れが発生しました。
それらを一箇所ずつ丁寧にチェックして、補修しながら、完成です。
自動潅水は敷設もさることながら、時間の経過と共に、
使用状況が変わる場合があります。また、使用ミスでの、
破損や、増設や削除など設計変更をしたくなるときもあります。
そんなときにも、ご相談を受けながら、ご要望に沿っていくことも、
私たちの大事な仕事の一部です。

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