土の学習


2007年4月19日

今日はS部長が地元のP学園大学に営業に伺いました。
幼児教育を開設しておられるその大学では、教員養成の一環で本格的な栽培学習の
フィールドを造っておられるのです。昨年度その計画段階で、土壌改良や
夏休みなどの潅水で何かお役に立てることがないかとお話をしにいったのです。
今年度伺うと実際に圃場も完成し、幼児教育に加えて小学校教員養成課程も新設され、
カリキュラムの実習の中にしっかり栽培学習を入れておられたそうです。
先生の卵の学生さんたちに土を触る機会を与えるのはすばらしいことだと思います。
私の次男が低学年のときに、学級園で大根の種をまきました。
「冬になったらみんなでおでんパーティーを開くねん」と次男に見せられたその学級園の土は整備したての真っ赤な土でした。

明らかに有機質が不足しています。硬くひび割れて畑の土のイメージとは違います。
授業参観のたびに気になって見ましたが、大根も含めて植物の成長は良くありません。
冬が近づき、先生が液肥をまかれましたが大きくなりませんでした。大根を育てることは簡単ではないことが分かったかもしれません。
30年近く前、私は小学校の新任教師でした。1年生を担任し、学年主任の先生の
隣の1階の教室でした。何もかも新米で経験不足で失敗も多く、若さだけがとりえでした。
ただうちの学級園だけは自慢でした。どのクラスよりも花も大きく緑がにぎやかでした。
秘密は土にありました。金魚鉢の水をかえるごとに子供といっしょにその水をまいたり
堆肥を入れたりしていました。
あるとき給食に出たスイカの種をみんなでまこうということになりました。
目指すのは「スイカ割り」です。季節はずれの種をまいたら二つだけがすくすくと育ちました。「さるかに話」の「かに」のように毎日眺める子供たちの期待を浴びながら、9月に野球ボール大の実が二つなりました。待ちに待った収穫祭の日の給食は、
その小さなスイカを切って食べるというより「なめる」ために行列ができました。
一つは長期入院の級友へのお見舞いの品になりました。
今とはだいぶ世の中の状況も違う、古き良き思い出の一こまです。
子供たちの生活からどんどん土が消えていって久しいです。
そんな中で栽培学習が敢えて取り上げられることになっていくのはなんだか嬉しく、
できれば何とか継続していただきたいなあと思っています。


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