紋次郎


2012年11月1日

高校生だったころ、テレビで『木枯らし紋次郎』というドラマを観ていました。
ニヒルに「アッシにはかかわりのねえこった」と言いながら関わっていく紋次郎や
主題歌が好きで、通学の車中でよくハナミズキさんとその話題でキャアキャアと盛り上がっていました。
遠い昔の話ですが・・・

今日はそんな木枯らしを連想させるとても風が強い一日でした。
S部長は、昨日施工した自動灌水のリニューアル工事の説明資料を持って出かけました。
他のスタッフは剪定作業です。私は北大阪の方へ資材の配達です。
とにかく風がきつくて、高速道路を走る私の軽トラックは蛇行をして
横風防止の表示のようにひっくり返るのではないかとヒヤヒヤしていました。

最近大忙しの剪定作業ですが、こんな日の後片付けは大変です。
案の定、剪定組が暗くなっても戻ってきません。
帰りが遅いので状況をA子さんに携帯で尋ねると、まだ片づけ中だと言います。
日暮れてぎりぎりの時間にようやく帰路についたようです。

片づけのほとんどは手作業ですが、仕上げにブロワーという機械を使うことも多いです。
エンジン式のブロワーは吹き出し口からすごい勢いで風が出ます。手慣れた人間だと
まるで透明人間が落ち葉を操るように、散らばっていた葉が踊るように、一つ所に集まっていきます。
時に、溝などは入射角を上手にコントロールして人の手の届かない奥の方から
たくさんの塊になって葉っぱが飛び出してきます。
ところが慣れない人間がすると、葉っぱがまとまらず、時には集まったものまで
離散してしまいます。

そんなすぐれもののブロワーですが、今日は機械の風圧以上の風で機能しなかったようです。
文字通り逆風でした。ブロワーの達人のA子さんでさえ苦戦だったようで、
集めようとしても、ちりじりになり、いつの間にか視界から消えてしまいます。
自然の風が葉をまきちらすと、後で、飛び散った葉がくぼみに集まり、少々厄介です。
以前このような風の強い日に作業をしたところ、翌日クレームがきました。
ゴミの取り忘れがあるというのです。(そんなはずはない・・)と思って出向くと、
集めたはずのない場所に葉っぱの小山ができていました。
飛び散った葉が夜半の風の向きの変化で、くぼみに集まっていたのです。

剪定作業は木枯らしの季節までには終えたいところですが。なかなかそうはいきません。
最近特に、新しいお客様が増えてきたので、剪定部隊は大忙しです。
剪定の腕前はもちろん、片づけにもこだわりを持つ、私たちには
「木枯らし」は仕事の質に大いに「関わりのある」ことです。

季節の分岐点


2012年2月2日

ここ数日、屋外作業でした。
今回の作業は、民間の戸建ての集合住宅の緑地の一部の
高木と、中木の強剪定や、伐採作業でした。
現場は近く、しかもとても恵まれた作業環境でした。
私たちに作業の依頼をして下さった、理事長さんが、
大変博学で、植物の知識があり(特別な資格もお持ちです)
事前打合せの際にも、また作業当日も含め、的確な指示を出して
いただきましたので、段取りをつけやすかったです。
そして何より、有難かったのは、私たちをとても丁重に
扱って下さいました。
こんな良い環境で作業能率が上がらない訳がありません。
私も含めて、皆火がついた?ようにがんばりました。
ちょうど昨日も、今日もここ最近の中で、日中の気温は最低でした。
にもかかわらず、寒さも感じないほどでした。
さすがに家に帰るとヘトヘトでしたが。
夜、連日の天候での屋外作業を気遣った母から電話がありました。
ちょうど今日は亡くなった父の月命日でした。
いくつになっても子を思う親の気持ちに変わりなく、
それが嬉しく、また哀しいこともあることを知った今回の作業でした。
来週からは、S部長(というよりランドケアのS社長ですが)中心の
自動潅水工事が始まります。
立春も過ぎ、少しずつ春に近づいていきそう(いって欲しい)です。

剪定作業の醍醐味


2011年6月16日

植物は基本的には、光の取り合いですので、みな光を求めて枝を伸ばします。
限られたスペースに、本来の成長具合からは混みすぎてしまうほど
植えたのであれば、人間がそれをコントロールしないと
大変なことになります。
先日、あるお客様からのご依頼がありました。
「空き家だった家に入居したのですが、庭が荒れ放題です。
日中は仕事でいません。外側から眺められるのでいつでも
見積もりに来てください。アジサイは今咲いているのだけど、
切れないので残しておいてください」というものでした。
(アジサイが切れない??とはどういう意味だろうと)
すぐにK専務が見積もりに伺いました。
私たちの仕事は、現場を見ないと怖いです。
というのも、随分前に「棒ガシ1本の剪定」と聞いて、
軽トラックで伺ったら、棒ではなく電柱ぐらいで、剪定枝葉の
回収に2t車が必要になったことがありました。
ほんの2mの高さというのが5mだったとか。
樹木のボリュームは見慣れていても積算数値に表すのは難しいのです。
さて、現地で切れない理由はすぐにわかりました。
アジサイは、草に埋もれていました。花はちらほら見えますが、近づけません。
樹木が重なりあっているので、K専務はバードウォッチングのように、
目を凝らして、樹形や葉を頼りに、樹木の種類とボリュームを確かめます。

全体像

何とかご予算に応じて、「エコ・ワークス価格」でお請けしました。
「今回の作業はやりがいがあるなあ!」と士気を高めつつ、
現場に入りました。剪定、バリカン、除草、収集、積み込み、美化清掃と
役割を分担し、手際よく作業します。
緑の塊の中から、徐々にかつての主の庭への思いが現れてきます。
草むらの花壇にマジックの字の消えかけた白いラベルとエビネが出てきました。
オモトもいろんな品種がありました。生き残ったひょろひょろの園芸種の
宿根草も現れてきました。光に当たるようになれば次は花が咲くでしょう。
石灯籠や、焼き物の狸の親子も出てきました。
ナシ、カリン、温州ミカン、ウメ、モモ、キンカン、レモンなどが
花木に混じって植えてありました。中央は芝生になっていました。

作業前ガレージから

作業後ガレージから

山の中に生えているようなクロガネモチも仕立てた形に戻りました。
四方八方に延びていたシダレウメも、鑑賞用の枝垂れになりました。
かつてのお庭の賑わいを想像しつつ、どんどん復元していきます。
2t車に山のような枝葉ゴミを積み上げて、次回の薬剤散布で完成です。
通常の作業よりエネルギーは消費しますが。達成感は大きいです。
後で「昨日はありがとうございました。こんなにきれいにして頂いて
庭も見違えるようです。」と施主様から喜びのお言葉を
いただきました。また元気をいただけました。

全体像

Newer PostsOlder Posts

ページトップへ