梅雨中の真夏日


2013年6月7日

日差しが肌につきさすように痛く感じる日でした。
私は、北大阪の個人邸に、花の入れ替えにいきました。
「本当に何もしなかったのにお花が長く持って・・・」と言われましたが、
やはり管理の仕方もお上手だったようです。きれいな状態が続いていたのです。
今年は確かに、春の花がどこも長く持つ傾向にありました。
ただ気温の上昇とともに、あっという間に痛んでしまいました。
枯れたビオラを撤去していると、行き場を失った黒と赤のトゲトゲボディの
大きささまざまなツマグロヒョウモンの幼虫がプランターの壁を伝っています。
一匹ずつ捕獲しました。


Dr.カーバチ(№124)から「ツマグロヒョウモンの幼虫」

この仕事は、まず一番に「植物が好き」というのは当然ですが。同時に、
「虫が(ある程度)平気」ということも条件の一つになります。
少なくとも、素手は無理でも、軍手で触れて当たり前ぐらいは必要です。
私も危険なもの以外は大抵触れます。段々背筋が寒くなる感覚が薄れてきました。
もっとも、生きたサンプルを愛おしそうに?眺めながら食事する
Dr.カーバチことK専務の域には絶対達しませんが。
このツマグロヒョウモンはスミレが好きなのです。
成虫もとてもカラフルで目立ちます。(詳細はNo.124で)

Dr.カーバチ(№124)から
とにかく、花ががピークを過ぎたころ、たくさんの幼虫が葉についているときもあります。

プランターから逃げ出すのはほかに、小さな青虫。ミミズ。ナメクジ、ドウガネ虫の幼虫。
やたらテントウムシもついていたのは、多分アブラムシの発生があったからでしょう。
小さな入れ物の中にもそれなりの生態系です。

作業終了後。そこからほかのスタッフがいる除草作業の現場に向かいました。
作業日3日目の今日は、ほとんどの草が、積みあがっていました。
A子さんがマスクをつけています。刈り草を扱うと咳やくしゃみが出るからです。
そういえば事務所のMさんもアレルギー気味でした。
例年になく、イネ科の植物の種を持つのが早そうです。
雨が少ないので、青々と葉っぱを大きくする機会に恵まれず、子孫繁栄のために
開花を急いだのでしょうか。
人口空間で快適に過ごしているつもりの私たちも、大いに自然界の影響を受けているようです。

Dr。カーバチがリニューアルしました。人の名前のような虫の話も出ています。

虫愛づる?


2012年6月7日

この時期、植物を扱っていると色んな生き物と出会います。
植物を中心に考えた『害虫』と『益虫』に分かれます。
通常、『蝶よ花よ』という言葉の中の『蝶』はなんだかとっても
お上品なイメージですが。


私たちにとってチョウは、葉っぱを穴だらけにする幼虫の『源』たる親です。
先日、アゲハのつがいが優雅に花壇の上を舞っていたなと思ったら、
大株のパセリの葉には、しっかり食べて大きくなった幼虫がいました。

指先で触れた私を黄色い小さな触覚で威嚇します。

K専務のように虫をぱっと見ただけで『・・・・』と名前が浮かぶには
程遠いですが。
ただ以前と違って、『餌』との関係で生き物を見るようになりました。
例えば(これが飛んでいるということはアブラムシが発生しているのかな?)とか。
忙しく飛び回るアシナガバチは、葉っぱを食べるイモムシを肉団子に
するために狩りをしてくれているので、あまり怖がることもありません。
トカゲにしても、少々グロテスクなコウガイビルにしても。
ナメクジの天敵なので頼もしい味方です。

自動灌水で水を噴霧している苗置場で、ツチカエルを見つけました。

近くの田んぼから来たのか、いつの間にか敷地内に住みついているのです。
夏に向かって晴れた日でも、スプリンクラーの水に反応して、ケロケロ鳴くこともあります。
可愛いとはとても思えない姿ですが・・・(丸々太ったヨトウガの幼虫をよろしく!)
と、愛おしそう?にお願いしている自分がふと、(ちょっと普通でないかも)
と思ってしまう今日この頃です。

 

敵の敵は・・・


2009年8月24日

週明け、大道筋の様子を見に行きました。
三年目となると、仕事といえども愛着がわきます。
今年の夏の雑草管理はちょっとうまくいった感じです。
農業と通じるところがあるのでしょうが、雑草対策のキーワードは
「早めに、まめに」です。
後手に回ると、作業時間も廃棄物の量も多くなってしまいます。
ただし、設計上の除草は回数で書いてあります。
そうでないと、積算できません。
「きれいに仕上げる」と言った曖昧な言葉では、コスト計算ができません。
第一どこまで「きれい」にするのかは、主観も関係します。
だからきれいの度合いは、例えば、「除草・・・回」という風に
数字に置き換えなければなりません。
その範囲でいかにして美しい景観を保つかというところが、工夫のしどころですが
植物の豊かな日本ではなかなか難しいところです。
今年度、花壇はまあまあ、ねらい目どおり、作業時間の割合に
効果を上げることができたのですが、
ヒラドツツジの間から生える、つる性のヤブガラシについては
なかなか思うようにいきません。
設計は年3回ですが、とてもそれでは押さえ込むことはできません。

今日も(ううむ。先日抜いたのに、また・・・)と嘆きながら目の前の
ヤブガラシを引っ張ると、ぶらりと大きな幼虫がこちらをにらみ?つけています。

見ればそこかしこにいます。
元々私は、虫は花ほど好きな訳でもなく、どちらかというと、
眺めると「さむく」なっていく方です。
ですが、今日は思わず(おお!ヤブガラシをしっかり食べてちょうだい!)と
エールを送ってしまいました。
もちろん人間のためにヤブガラシを食べてくれているわけではありませんが。
ただ、花を育てていると、ハチやクモやカマキリやカエルやトカゲを忌み嫌うことは
少なくなりました。みな、花の管理にとって「敵の敵」なのです。
きれいに飾るだけではなく、植物を育てるといろんなことにつながって面白いです。

種から育てたヒャクニチソウが今、盛りです。

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