美しい花がそこにあるのではなく・・・


2008年3月9日

お水取りも終わって、一気に春の気配です。
植物の根や芽が動き始めている様子が、はっきりと見て取れそうです。
これから花の季節を迎えるまでの、一番変化が楽しい季節です。
それなのに、情けないことに、このところ我が家の庭は完全放置状態でした。
以前にもここに書きましたが、仕事で植物を扱っていますが、
自身は兼業主婦です。週末ガーデナーどころか隔週末か、それ以上の
不定期ガーデナーになり下がっていました。
ガーデニングが優先順位の低い作業になっていたのです。
スイセンの花芽の立ち上がりも、ジンチョウゲの花のほころび始めも
見ることもなく。視界に入る、地面にはびこり始めた雑草を
眉をひそめて見ながら、あわただしく仕事に出かけ、帰宅する毎日です。
庭の荒れは、私にとって心の荒れにもつながります。
表題の続きですが、「美しい花がそこにあるのではなく。
美しいと感じる心がそこにあるのだ。」という言葉を以前耳にしました。
どれほど、街の中を花一杯にしたところで、花を美しいと感じる心
を育む社会でないと、花があるだけでは、値打ちが無いと思います。
逆に、一輪の花でも、感動する心がある限り、いつでも
心豊かに暮らせるようになるのだとも思います。
忙しさは心を亡くしていきます。地面の花に目を向ける心の余裕の無い
世の中です。私たちの業界の危機も単に予算云々というより
根っこの深いものかもしれません。
ということで、我が身を反省し、今日は、一日土いじりです。
種から育てた苗の植え替えも一気に行いました。
せっかく新色のパンジーを数種類まいていたのですが、花色を
忘れてしまっていました。花がついているものを頼りに
植え込みました。かわいそうにポットに根が回っていました。
除草と同時に、土壌の改良や施肥を行って、手持ちの苗も植え込みました。
ミニロックガーデンに植え込んだ山野草も順調に育っています。
あっという間に、日が暮れてしまいました。
いつもどおりの土だらけの一日でしたが、仕事とは一味違って
楽しい時間でした。明日から、庭を見るのが楽しみです。

京都府立植物園


2008年3月2日

週末を京都で過ごしました。
1月にも訪れた京都府立植物園に、また足を運びました。
前回、園長さんのガイドツアーを体験し、その話の内容が楽しく、
是非再訪したいと思っていました。
今回は主人と行ったので、私がガイド役です。
入り口で、地図と園長さんの手描きの見所案内図を取りました。
ちょうど花の回廊「早春の草花展」(3月20日まで)も開かれていました。
1月に予告を伺っていましたが、何も無かったスペースに
温室が立ち並び、中に入ると、春の花の香りがむんむんする見事な
立体展示が延々と続いていました。
春爛漫の別世界に飛び込んだ気持でした。


開花をこの時期に合わせて栽培するのに
苦労されたと前回のお話にありました。
準備もさることながら、展示やその維持管理も結構大変だと思います。

色のあふれる温室を出て、屋外の見所を探しました。
カラフルな園芸種に比べて、早春の今、屋外で咲いている主なものは
セツブンソウやバイカオウレン、スノーフレークなどの
可憐な白い花々です。

バイカオウレン
セツブンソウ
スノードロップ

キラキラ輝くフクジュソウも落ち葉の重なる土から顔を出していました。

フクジュソウ

バードウォッチャーの方もたくさんおられました。
鳥の数も増え、みな春の訪れを告げているようでした。
植物に添えてある説明を読みながら、
野生種から園芸種まで幅広く楽しめるのは、
公園とは一味異なる、植物園ならではのものです。
元気をもらって、月曜日からがんばります

緑の機能は?


2008年2月27日

ずっと以前、私が駆け出しの社長だった頃、
経営セミナーなるものに参加して勉強する機会がありました。
内容は経営工学でした。
いかに効率良くものを生産するのか。ストップウォッチ片手に
講師の先生の指導のもと、製造現場で実際に測定したりもしました。
数字から分析していくことが新鮮だったので、
私は緑地管理においてもデータを集めてみました。
作業にかかる員数や時間、作業の内容を花壇別に振り分けて、
何の作業や何の植物にコストがかかるのか調べてみようと思ったのです。
例えば、苗の購入費を抑えるために宿根草の花壇にしたけれど、
結局、整枝や剪定などに人力作業が増え、逆に、1年草を一挙に撤去して、
機械で耕した方が安くつくという結果も出ました。
花については開花期間と、かけた手間と、原価から、
どの花がコストに見合うものか調べてみました。
そしてチューリップが結構開花期間に対して、高くつくものだと知りました。
しかし天候も予測が難しく、植物という生き物相手で、
発芽や開花期間も一定ではなく、不確定要因が多く、
うまく標準化できませんでした。
最近ではVE(バリューエンジニアリング)という言葉を目にします。
VEは価値=機能/原価という式で表されています。
最適な選択でよりコストパフォーマンスをあげる工夫のことです。
さまざまな分野で成果を上げている考え方です。
式を簡単に理解すると、価値を上げるためには原価を下げるか、
同じ原価なら機能を上げるということが分かります。
単純には原価を下げる、つまりコストダウンが価値を上げるために行われます。
私の関わる造園業界も同様です。厳しい競争入札は
底知れないほどの価格競争です。
設計はほぼ同じことが多いです。
その中で担当の方の裁量の範囲で業者の私たちもいろんな知恵をしぼります。
特に、緑化において機能は何なのか悩むときがあります。
一番元になる価値に視点を移すと、感性に左右される美的価値は
どうなるのかも気になるところです。
例えば春になると花壇一面のチューリップを
見たくなる気持ちを数字で他のものに簡単に置き換えられるのかなとも思います。
生き物や人の心に左右される緑の分野は、すっきりしない生産管理現場です。
そこが心惹かれるところなのですが。
だんだん実用価値優先で心痛む今日このごろです。

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