植物力
2011年4月21日
秋田の友人が「最近ゆれ方で震度が言い当てられるようになった」と
言っていました。
東北の春は、梅も桃も桜も一斉に咲く、とても賑やかな春だと
以前彼女に教えてもらいました。桜前線も北上です。
先日被災地での花見の様子をニュースで見ましたが、
ほんのひとときでも、心安らぐ思いをされたら良いのにと心から思いました。
と同時に、久々に映像の中に花や緑を見て、ホッとしました。
植物のどこに心惹かれるのかと言えば、やはり「変化」でしょうか。
他の生き物と違って、他の命を食することなく、水と光エネルギーで、
自力で成長していく姿は健気です。
私たちの仕事は、植物の持つ力を生かしながら、手を加えて
より美しく元気に育つようにお膳立てすることです。
冬から春にかけて、少しずつ成長して、気温の上昇と共につぼみが上がり、
ようやく花を咲かせていくその変化の過程を見るのは楽しみです。
先日そんなお客様が、満開の写真を送信して下さいました。
12月に植え込んだときに比べて花があふれんばかりでした。
ご丁寧な言葉も頂き、私たちは元気をもらいました。
また、数年前に玄関前花壇をリフォームしたときに、家の外に出るのも、
億劫だった方が花壇の花を見るために外に出て、
いつの間にかご近所の方と花談義されるようになりました。
剪定や植え込みで伺うたびに元気になっていかれます。
これも植物力でしょうか?
こんな時勢、この仕事はなかなか捨てたものではありません。
続けさせて頂いていることに感謝です。
♪名前〜それは〜燃えるいのち・・・
2010年5月18日
人間に一人ずつ名前があるように、植物にもそれぞれ名前がついています。
見知らぬ草花も名前を覚えることで、ぐっと身近になります。
たいていの人が知る「サクラ」や「チューリップ」から、
あまり知られていない花の名前を覚えていくと
これまで、見向きもしなかった花が、急に
輝き始めます。それはちょっとした楽しみにもなります。
そんな面白さを最初に教えてくれたのは母でした。
随分昔、ちょうど今頃、我が家の庭先に、少し幅の広い葉に筋の入った、
茎に赤紫の小花がいくつもついた花が、群れて咲いていました。
ある日母が「この花の名前を知っている?」と聞きました。
私が「知らん」と答えると、母は「よく知っているね!」と言うのです。
キョトンとする私に、「この花は『シラン』というのよ」と言いました。
幼い私の頭では『シラン』を『紫蘭』に変換できませんでしたが、
そのなぞかけのようなやり取りと、
小さいながら凝ったつくり(まさに蘭です!)の花の名前を
すぐに覚えてしまいました。
当時シランが咲く季節になると、私は、近所のおばさんに
「この花の名前知っている?」を連発して、「知らん」と言わしめ、
最後は「ヘェーっ」と感心させることにはまって?いました。
ただごく稀ですが、「ワカラン」と答えられて、うろたえることもありましたが。
あれから半世紀近く、名前を覚える度に、自分の中の植物の世界が
広がるような、面白さを感じています。
見方が変わると・・・
2010年5月9日
初夏です。
花々のカラフルさとは一味違った、柔らかな緑の季節です。
このさわやかな季節。私たちの仕事の上では「除草」の
時期でもあります。仕事目線で風景を眺めると、
あちらこちらに生えている雑草は
(早くしないと、より茂る)という焦りの気持ちも加わって
どうしても『やっかいもの』に見えてしまいます。
これが、ゆっくりと散歩しながら見ると、
育ち始めた草もまだ柔らかく、風にゆれるさまも
普段感じるストレスとは逆の心地よさまで感じます。
さらに、もう少しズームしてみると、
いろんな種類の草に気づきます。
30年以上前に覚えた記憶を頼りに、見ていくと・・
イチゴツナギ、キュウリグサ、ニワゼキショウ、ナギナタガヤ、
カゼクサ、カラスムギ、カモジグサ、カタバミ、ムラサキカタバミ
ヒメコバンソウ、コバンソウ、ハハコグサ、オランダミミナグサ、
ハコベ、ヨモギ、ハルジオン、ナガバノギシギシ、カナムグラ
マメツブウマゴヤシ、オニタビラコ、タチイヌノフグリ
カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、カスマグサ、
ノゲシ、ヤブジラミ・・・
頭の中に浮かぶ昔の記憶の名前と実物を照らし合わせていくうちに
いつの間にか、草むらは植物標本の場になっていました。
セイヨウタンポポの茎やカラスノエンドウ、スズメノテッポウの笛。
ヒメコバンソウやメヒシバ、オヒシバのかんざし。
ペンペングサで作った音。
ムラサキカタバミやオオバコの茎を引っ張り合って競い。
カヤツリグサの茎を二人で持って上手に裂いて蚊帳を作り。
子供時代の草は、遊びの道具でもありました。
行き着いた広い公園の、きれいに刈り込まれた
草地を見て、最後はやはり『除草』の文字が浮かんでしまった
休日でした。








