ジンチョウゲ(№615)

 ようやく雪解けのうわさが出るころ、街中を歩くとどこからともなく、甘く香しいにおいが漂ってくることがあります。日本3大香木の一つ春のジンチョウゲです。ちなみに、3大香木の他の2つはクチナシ(夏)とキンモクセイ(秋)です。
 ジンチョウゲはチンチョウゲとも呼ばれ、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木です。中国原産で室町時代以前から国内で栽培されていたようです。樹高1~1,5mの低木で、2月下旬~4月中旬にかけ
強い香りとともに開花します。花は白(外側紅紫色)で、花弁はなくガクが花弁のように見えます。
 庭木に多く使われますが、根は浅いため乾燥に弱く、移植や剪定にも弱い庭木です。寿命も短く20~30年と言われます。文献では雌雄異株で、国内では雄株のみが流通し種子ができないとなっています。しかし、花を分解してみると(写真右下)雄しべ、雌しべ、子房が見られ両性花のようです。しかし雄しべの葯には花粉が見られず雄性不稔のように思えます。
 園芸種としてシロバナジンチョウゲ、フクリンジンチョウゲなどが知られ、ジンチョウゲ科の仲間にはオニシバリ、ナニワズ、ガンピ、ミツマタなど樹皮の繊維が強いものが知られています。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲シロバナジンチョウゲ
▲ジンチョウゲ
▲シロバナジンチョウゲの花
▲ジンチョウゲの花は両性花?

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